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ケプラーの超新星:SN 1604  

先日のティコの超新星:SN 1572に続いて、今日は1604年に現れたケプラーの超新星:SN 1604です。わずか32年の内に二度も明るい超新星が見られるのは偶然で、確率的には1つの銀河内で100年に一度だそうで、その後400年以上、天の川銀河で超新星は観測されていません。
SN 1572と同じくSN 1604もまたIa型超新星であったことがわかっています。
sn1604.jpg
超新星残骸 SN 1572 NASA
Ia型超新星は年周視差、セファイド変光星に続く、宇宙の距離梯子の3段目になる重要な指標である。セファイド変光星とIa型超新星が同じ銀河内に見つかって、梯子が繋がった。
距離梯子
宇宙の距離梯子のステップ
ここでIa型超新星についておさらいすると、大質量星が寿命を迎えた際の爆発の規模(明るさ)はその星の質量によって様々だが、Ia型超新星は連星系をなす白色矮星がペアの恒星から重力でガスを引き込み、質量が上限値に達すると超新星爆発を起こす、この上限値を導いた研究者の名をとり、チャンドラセカール限界と呼ぶ。よってIa型超新星は爆発の際の絶対等級はどれもほぼ同じ、という特徴があり、明るさを測定すれば距離が計算できる。遠い銀河で発生しても観測可能な明るさであり、数十億光年の距離を測る重要な指標(標準光源)となる。
連星
白色矮星と巨星の連星
ただしこれが、Ia型超新星であると見分ける必要があるが、Ia型には特徴的な光度曲線があり、スペクトル分析で確認できるそうだ。あとはIa型の光が届くまでの宇宙空間の塵による減光を考慮した補正が行われる(この補正が誤差範囲を縮めるポイントのようだ)、宇宙が加速膨張している、というのは遠方銀河のIa型超新星を多数観測して得られた結果だった。
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しかしその後、宮崎大学や米大学の研究者によるX線観測の分析で、ケプラーの超新星残骸などの研究から、Ia型超新星の明るさには実はばらつきがあるのではという考えも出てきている。宇宙の物質分布にはムラがあるので、恒星が生れた時点の組成も決まる。『同じIa型超新星爆発といっても、爆発前の星の組成、その周辺環境、爆発メカニズムは、実は多岐にわたるのかもしれない』と発表された、超新星残骸に含まれる金属元素の量を調べると、SN 1604は太陽の約3倍あるらしく、白色矮星となった後、Ia型の爆発を起こした時の規模にも影響するというわけだ。観測衛星ガイアが今、正確な距離梯子の第一段階を計測している、天の川銀河の直径約半分に及ぶ範囲の恒星まで計測でき、最も確実な測定だが、第二段階のセファイド変光星、第三段階のIa型超新星の信頼度はどの程度か、気にかかっていたところ。
今後も数多くのサンプルを詳しく検証、比較することによって、星の組成の違いによる誤差を補正する研究の必要があるだろう。
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category: 宇宙・天体

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