Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

左型と右型  

人の左右の手は機能としてはまったく同じものですが、親指のある側が逆で、鏡像関係の形です。生物の体を作っているアミノ酸のような分子もこれと同じように原子の結合のしかたが左型と右型があるそうで、これをキラル分子と言います、自然界で左型と右型が生成される確率は半々のはずです。micha
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アミノ酸の一種、アラニンの結合の左型と右型、
たとえば左側を180°右側へ回転させても、立体的に一致しない

しかし地球の生命のアミノ酸は左型に偏っているそうです。ワインの樽に溜る酒石酸も同様であることをパスツールが発見している。
この傾向は地球に有機物を運んできた隕石に含まれるアミノ酸を調べても同じだそうで、どうも太陽系を含む広い領域でこの偏りがあるらしい。

光(電磁波)は通常、電場と磁場が90°の関係で波として伝わってきますが、星雲の中の微粒子にぶつかると、波の形が変わり、円偏光(螺旋を描くような波)となる場合がある。これも進行方向に対し、時計回りと半時計回りとある。
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資料:国立天文台
円偏光
円偏光のイメージ、赤線が電場で、青矢印が磁場を表現
円偏光は星・惑星形成領域で普遍的な現象で、質量の大きな星が生まれる領域ほど円偏光が大きく、広範囲におよぶという傾向がわかっています。太陽系もかつては星雲の中で兄弟星と一緒に生れ、質量の大きな星はとうの昔に爆発したが、その時の星雲内はこの大質量星による影響が広範囲に及び、この円偏光に照らされて生成したキラル分子は形成が偏って(鏡像異性体異常)、片方の型が多くなったと考えられています。これを裏付ける観測結果として、2010年にオリオン大星雲(M42)、2013年に猫の手星雲(NGC6334)の星形成領域で、近赤外線偏光観測装置を付けた望遠鏡の観測で、円偏光が検出されている。
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猫の手星雲(NGC6334) HST

2016年6月、米・国立電波天文台のチームが、星形成領域、"いて座B2分子雲"の中で、星間空間でこれまでで最も複雑な分子、酸化プロピレンを発見したとのこと、これも左右の型をもつキラル分子である。 ここでも円偏光が犯人となって偏りがでているかもしれない(電磁波が分子の形に影響を与える)、宇宙科学と生物学の接点ですね。
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category: 科学・自然・雑学

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