Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

H.グリフィス:F.リース 交響曲第5番  

フェルディナント・リースの交響曲はいずれも演奏時間30分代で終わるように書かれていて、師ベートーヴェンのような長大な作品はありません、両端楽章を充実させたら、中間楽章を短縮するなど、聴衆の集中できる時間を考慮しているのかもしれません。しかし短めに書かれた楽章が意外に魅力だったりします。H.グリフィス指揮、チューリッヒ室内Oの演奏で、今日は第5番ニ短調を聴きます。micha
ries sym4
ハワード・グリフィス指揮、チューリッヒ室内O
1997年録音 cpo


この作品はリースが師を模倣していると言われる典型でしょうが、第一楽章は劇的な導入音を置いたあと、「運命の動機」と同じパターンが始まる。(結局これは全楽章に登場する)
ries sym5
F.リース 交響曲第5番、開始部
師の「第5番」を意識した作品かもしれない、素材は借用していても、新たな魅力が生まれています。この運命の動機自体、ベートーヴェン固有のものでなく、
遡ってハイドンの交響曲No.78ハ短調を見てみると、
hay sym78
ハイドン 交響曲No.78 第一楽章 展開部
第一楽章提示部の終りに類似した動機が出てきます、この動機で展開部を対位法の聴きどころにしています。のちにはブラームスも「第1番」で隠し技のように使っています。
PS.ヴァンハルの曲にもこの動機がありました。

F.リース 交響曲第5番 ニ短調 (1812-1813)
第一楽章 Allegro 力強く劇的な要素とともに切れ味よい快調さもあり、グリフィスは強弱、cresc.を深くとって、快速で緻密な演奏に仕上げる。第二主題は明るく新感覚を思わせるが同時に師の「英雄」に似た流れも出てくる、展開部の書法も手の込んだもので聴き応え十分。
第二楽章 Larghetto con moto.Quasi Andante 穏やかで親しみ易い主題、ロマン派的な情緒細やかな楽章、ここもちょっぴり運命の動機が忍ばせてある。
第三楽章、スケルツォ Allegro assai-Trio この楽章の主題も印象に残る良い旋律、ぐっと引き付けるスケルツォでキビキビとしたリズムにやはり運命の動機が効果的に組み込んである。
終楽章、Allegro 弱奏で緊迫したロンド風主題で始まる、運命の動機が対位法的に組み込まれ、オーケストレーションも見事、展開部はまず木管が歌う主題を置き、いよいよ運命の動機を畳み込む、終結は急速になり、熱狂に巻き込んで終わる、同じ動機を全楽章で使うところと合わせ、シューマンの「第4番」のスタイルを思わせる。
リースの作曲技法は筋金入り、シューベルト、シューマンの上を行っているかも。
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