Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

H.グリフィス:L.シュポア 交響曲No.1&6ほか  

グリフィスが出すアルバムは本当に興味尽きません。F.リースに続いて注目しているのが同年生まれのルイ・シュポアです。シュポアはドイツ生れのvn奏者で作曲家、本名はルートヴィッヒ・シュポーア(Ludwig Spohr)だが、フランス風にルイ・シュポア(Louis Spohr)と名乗っていて、ヴァイオリンの顎当ての発明者だそうです。詳細→Wikipedia
ピアニストのF.リース、ヴァイオリニストのL.シュポアがそれぞれの楽器の協奏曲をいくつも書いていて、これも楽しみなところ。
今日はシュポアの興味深い、交響曲のアルバムを聴きます。micha
1. 交響曲 第1番 変ホ長調op.20
2. 交響曲 第6番 ト長調op.116「歴史的交響曲」
3. 序曲 ハ短調op.12

51flgC0FjdL.jpg
ハワード・グリフィス (指揮)、ハノーヴァー北ドイツ放送交響楽団
2007、2009年録音 cpo


交響曲 第1番 変ホ長調
第一楽章、Adagioの序奏があり、各パートが音階パッセージを奏で、流麗さと風格が魅力、主部Allegroはなんと運命の動機が骨格のように多用される、
spohr sym 1
第一楽章 展開部始め
しかし、シュポアはF.リースのベートーヴェン的な骨太なタッチと一味違い、メロディアスな主題を巧みに重ねる作風のようだ。"19世紀のモーツァルト"といったところかも?もちろんダイナミックな聴きどころもある、展開部は二つの主題がフーガで重なり、木管も含む各パートが奏で、これは見事。
第二楽章、Larghetto com moto 変奏形式と思うが、始まりの主題の前半は、さだまさしの「北の国から」のテーマにそっくり^^しかし後半で古典派らしい趣きにおさまる、
sc04_2016070722550023a.jpg
短めに書かれているが、劇的な進行でこの楽章も見事。
第三楽章、Scherzo.Allegro とあるがメヌエット風に聴こえ、ハイドンを思わせる始まり、しかし19世紀的な趣きにまとめ、彫の深い味わい、トリオは短調で、ここでも運命の動機が素早く活用され、引き締め役の効果がある。
終楽章、Allegretto ロンド風の楽章でエネルギッシュに引き付ける場面はさほどないが、流麗で、対位法的に巧みに折り重ねる技法が多く、オーケストレーションの上手さが味わいに富む、まずは上々の第1番である。

交響曲 第6番 ト長調 「歴史的交響曲」
作曲者が当初からこの副題を付けていて、各楽章、バロック期から現代(当時の)までの音楽を振り返るような、短めだが趣向を凝らした特殊な作品。これは何も題せず、単に「交響曲第6番」としたほうが謎めいて面白かったかもしれない。
第一楽章、"バッハ、ヘンデル"と題される、バロック趣味の序奏のあと、短調となり、まさにバロックのフーガを展開する、シュポアがフーガの書法に精通している証しでもある。パストラーレ風の中間部を置き、再びフーガとなる。(*しかし、19世紀の趣味で捉えたバロックの象徴的イメージのようで、これを聴くと20世紀中ごろにも流行った、いわゆるバロックブームの演奏趣味に繋がるようにも思える)
第二楽章、largettoは"ハイドン、モーツァルト"と題されるが、それらしい風合いは薄く(強いて言えば断片的?)、19世紀的な趣きである。表題を気にしなければ美しく出来た楽章だ。
第三楽章、Scherzo.Allegro "ベートーヴェン"と題される、timpの2音交互のリズムで始まる、"「第8」の終楽章"か? しかし、音楽としてはやはりベートーヴェン的印象は少ない。
終楽章、Allegro シンバルや太鼓を加え、当代の音楽で劇的に華々しく締めくくる、シューマン、ブラームスの時代は準備できたような内容。

もう1曲、コンサートのための序曲 ハ短調op.12が入っている、これは短めだが序奏とソナタ形式の主部でぐっと引き付け、小気味よくまとまった良い作品だ。
F.リースの曲と同様、親しみやすく、グリフィスの的確な演奏で内容は漏らさず聴ける。
関連記事

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/1195-681616d3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

ブロとも一覧