Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

2つのフーガ、W.A.モーツァルト&J.M.クラウス  

古典派になってもロマン派になっても、フーガという書法は古い?とされながらも、引き継がれ、聴衆向けというより、作曲家が自分のために書いたかのような凝った作品があります。

まず、W.A.モーツァルト(1756-1791)のピアノ作品で4手のためのフーガ ハ短調K.426、これがすばらしい、モーツァルトはスヴィーテン男爵から提供された、バッハやヘンデルの楽譜に感銘を受け、その後の作品にバロックの書法が反映していく。ミサ曲 ハ短調 K.427など、バッハとヘンデルが交替で出てくるようだ。micha
今回聴いたのは1983年録音のマルコム・ビルソン&ロバート・レヴィンという、フォルテピアノの黄金コンビによるアルバム、
moz k426
1曲目には4手のためソナタ ニ長調 K.448が入っていて、これを聴くとTVドラマ「のだめカンタービレ」で、めぐみと千秋が弾くシーンがあり、どうしてもそれが浮かんでしまう^^;
2曲目がフーガ ハ短調 K.426(1783年)、各声部が明確になる当演奏のフォルテピアノがモダン・ピアノより表現上有利に聴こえる。フーガのテーマは練られていて、次の声部が始まると、一瞬、短二度(九度)がぶつかる、
sc01_20160720191404670.jpg
これが斬新で効果的、後半に行くほど複雑化し、ストレッタで次々重ね込んでくる、曲の大胆さはいつの間にかバロックでも古典派でもない異世界に迷い込むようだ。
参考動画→Fugue for Two Pianos in C Minor, K. 426
なお、これにバロック風の前奏、アダージョをつけた弦楽版K.546もある、
参考動画→Adagio & Fugue in C Minor K.546

一方、音楽一家に生まれたモーツァルトとは違い、ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)の両親は彼に法学の道に進んで欲しかったらしいが、本人は芸術家の道を諦められず、エルフルト大学でヨハン・クリスティアン・キッテル(1732-1809年、奇しくもハイドンと生没年が同じ)に作曲を学んだ、キッテルは大バッハの弟子だったので、クラウスは孫弟子ということになる、クラウスが巧みなフーガの技法をこのとき伝授されたのであれば、まさに直系の技。フーガ作品をいくつも書いているが、好例は過去にも書いた、序曲 ニ短調 VB.147 (1790年頃)、これはオーケストラ作品だが、3部構成の最後のフーガが絶品、クラウスはあくまでバロック風でバッハの系譜らしさが魅力、低音パートの動きはオルガンの足鍵盤だ、この曲も進むにつれて複雑な折り重ねに発展する見事さはモーツァルトとしのぎを削る。
録音は現在唯一、P.スンドクヴィスト指揮、スウェーデンCO(NAXOS)のみ、
kraus sym
参考動画→J.M.Kraus VB 147 Sinfonia da chiesa in D minor
(*当フーガは3部構成の最後で、5:50から)

なお、クラウスは音楽修行の旅でハイドンを尋ねて高い評価を受け、ウィーンで芸術結社フリーメイソンに入会した、ここで同輩のモーツァルトとも面識を得たらしい。
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