Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

C.ホグウッド:モーツァルト レクイエム(モーンダー版)  

先日のコレギウム・アウレウム盤、レクイエムでちらっと書いた、ホグウッド盤が気になり、聴き直してみることにしました。micha
moz req hog
エマ・カークビー:ソプラノ、キャロライン・ワトキンソン:アルト、
アンソニー・ロルフ=ジョンソン:テノール、デイヴィッド:トーマス:バス
ウェストミンスター・カテドラル少年聖歌隊
クリストファー・ホグウッド指揮:エンシェント室内O


モーツァルトが未完のまま亡くなったレクイエムは様々な補作版がある中、ホグウッドが何故、モーンダー版を選んだのか、ホグウッド自身のコメントはライナーノーツにないので正確なところわからない、ただ録音には他では聴けない内容を盛り込むことが多いので、そこはホグウッドらしいかも。
モーンダー版については→Wikipediaにも概略が載っているが、イギリスの音楽学者リチャード・モーンダーは筆まめだったモーツァルトの多数の手紙の日付と内容を調べ、数々伝わる話があり得る事か否かを絞り込み、憶測を排除、探偵みたいな仕事もしているし、音楽学者らしい、作品そのものの分析もしたり、2年半かけた結果として、できた楽譜は論文の添付資料ではなく、実用譜としてだされたらしい。サンクトゥス、オサンナ、ベネディクトゥスを削除した、未完状態で聴かせるという結果だが、ベネディクトゥスは大きな穴を埋めている曲だけに、欠如感は大きい;削除した理由の一例として、ベネディクトゥスの始まり、
↓バセットホルンは移調楽器のため、ヘ長調で記されているが、実際の音は4度高い変ロ長調になる
sc moz be
①ではバセットホルンとヴィオラが平行8度、②ではヴィオラとバスが平行5度になっちゃってる、③ではバスが同じ終止形を2度繰り返す芸の無さ、等々、モーツァルトにはあり得ない非常に未熟な箇所を指摘して、削除に至ったそうだ。
病床にあったモーツァルトが捕作を依頼したかったのは最も優れた弟子、ヨハン・アイブラーだった、彼は一旦引き受けたものの、一部補作しただけで、完成出来ないと未亡人コンスタンツェに返した、たぶん有望な人ほど、下手に仕事をすると経歴に傷が付くのを恐れるのでは、という気がする?最後に廻ってきたのがジュスマイアーで、モーンダーによれば、モーツァルトからほんの1、2回しかレッスンを受ける機会がなかったはずの駈けだしもいいところだった人らしい(彼はのちにA.サリエリに師事する)。しかしほころびが多いにせよ、ベネディクトゥスを彼が自力で書いたとすれば、とても健闘していると個人的には思う。最後のコンムニオには始まりのRequiem&Kyrieが転用され、上手く完結する。因みにミヒャエル・ハイドンのレクイエム(完成作)でも始めのRequiemを最後にも演奏するので、モーツァルトもこれに習って指示を残したかもしれない。
なお、モーンダー版では、ジュスマイアーがラクリモサの最後をアーメンの一言で終止しているのに対し、1961年に発見されたモーツァルト真作のアーメン・フーガを繋げている、これが他にはない聴きどころになっている。

ホグウッドの当演奏は意外にエネルギッシュで引き付ける、ここでも少年コーラス、ウェストミンスター・カテドラル少年聖歌隊が起用される、独唱陣の4人はアルト~バスの3人に対し、エマ・カークビーのボーイ・ソプラノに近い声質と歌唱法が異なって聴こえるが、それが逆に効果的と思える。
関連記事

category: モーツァルト

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/1213-7c1825ff
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック