Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

シュパンツィヒSQ:F.リース 弦楽四重奏曲 Vol.1  

NAXOSやcpoレーベルは知られていなかった作曲家を次々紹介し、特に優れた人はシリーズ化して売り出していますが、世界中の人々のニーズが細かく掴めるようになったネット時代になりはじめて成り立つ事でしょう。
フェルディナント・リースもベートーヴェンの回想録を書いた人、として知られてきたらしいですが、それだけの存在にされてきたのは不当な扱い、ベートーヴェンの存在が"木星"サイズなら、リースは"土星"くらいいってるでしょう^^師にはない魅力もあるし、
今日はcpo盤でリースの弦楽四重奏曲第1集を聴きます、演奏がまたひじょうに期待できるシュパンツィヒ四重奏団でcpo盤にふさわしい。
ries sq01
シュパンツィヒ弦楽四重奏団
2004年録音 cpo


当盤の2曲はハイドンの時代に回帰したかのようなスタイルを基盤としていて、時代の隔たりが感じられないほど、見事に書かれていて、新しい要素もある。

四重奏曲WoO.37 ハ長調(1827年作)
1827年の作だが、主題の趣味からして第一印象はハイドンの最後期、プロコヴィッツ四重奏曲の続編かのような味わい(ここが魅力)、ベートーヴェンの"プロコヴィッツ"より、肩の力の抜けたほっとさせる趣き、しかし書法の充実度には目を見張るものがある、何十曲も書いてきた人みたいな。
第一楽章アレグロ・コン・ブリオはvcの低音で動機を提示する意外な始まり、明るく快活な第一主題が立ち上がる、提示部は快調流麗で申し分ない、展開部での対位法的手腕はもちろん、十分練られた内容は見事、定石通り再現部に移るが、8:08という演奏時間もちょうど良い。
第二楽章アンダンティーノ・コン・モート、短調の主題で沈んだ気分で始まる、変奏曲と思うが、多彩な気分の移ろいを聴かせる。
メヌエット、モデラート 主題が各パート間を素早いカノンで雪崩れるように移るのが引き付ける、トリオの開始はvcの遠い雷鳴で始め、各パート弓を弾ませる奏法的面白さを聴かせる。
終楽章、アレグロ-ラルゲット-アレグロ、すばしこい小動物を思わせる動機で意表をつく、これを巧みに絡ませて立体的な聴き応えを作って行く、この楽章にはラルゲットの中間部があるが、共通の主題で気分を変える、再びアレグロに戻り、リース新案?ともいえる秘技を加えて痛快に終わる。

四重奏曲 変ホ長調 WoO.10 (1805年作)
こちらは1805年作で、ハイドンが存命の頃、前述のWoO.37の22年も前だが、そんな隔たりを感じない、こちらが後の作品だと言ってもおかしくないほど。
第一楽章アレグロ・モルト・モデラート、第一、第二主題ともじつに流麗、かつ嫌味のない美しさで、こちらはモーツァルト型?の要素もある、しかし展開部は肉迫してくる聴き応えだ。
第二楽章にメヌエットが置かれる、リズムの重量箇所の変化が面白く、シンフォニックに引き付ける、
第三楽章アダージョ・カンタービレ、変奏曲と思われるが、気品のある主題に始まり、劇的な推移でシンフォニックな聴かせどころも置く。
終楽章、ロンド:アレグロ・モデラート、ロンド形式の中に変奏要素も加えた書き方のようだ、歌謡的な親しみやすいロンド・テーマを聴かせたあと、いきなり切れ味鋭いパッセージの掛け合い、こんな穏やかさと緊迫感を交互に聴かせていき、楽章全体は劇的な構成でまとまっている。

以上、2曲とも何度聴いても飽きない逸品と言える。シュパンツィヒ四重奏団はこうした初めての作品を安心して聴かせる。
PS.もう1枚のアルバム、Vol.2が出ているが、こちらは新時代らしい書法で、内容も素晴らしい、レビューはあらためて。
関連記事

category: F.リース

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/1227-3505391e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック