Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

B.ヴァイル:モーツァルト レクイエム「ランドン版」  

モーツァルトのレクイエム(K.626)、5枚目はB.ヴァイル盤で、楽譜はアメリカの音楽学者H.C.ロビンス・ランドンがまとめた「ランドン版」です。モーツァルトの弟子達の補作を尊重したもので、優秀な弟子アイブラーとフライシュテットラーの補筆がある箇所はそれを採用し、あとはジュスマイアの補作を採用、後世の手は一切加えない、というのが特徴で、モーンダーみたいに楽章の削除などしないところも好感持てます。
moz req weil
マリーナ・ウレヴィツ(S)、バルバラ・ヘルツル(A)、
イェルク・ヘリング(T)、ハリー・ヴァン・デル・カンプ(B)
テルツ少年chor(合唱指揮、ゲルハルト・シュミット=ガーデン)
ブルーノ・ヴァイル指揮、ターフェルムジーク・バロックO
1999年録音


ヴァイルの演奏は入祭唱から引きずらずさらりとストイックに始め、逆手の効果で深い感銘に誘うようだ。この演奏でも合唱はテルツ少年chorを起用、独唱の4人もピリオド・スタイルの歌唱を聴かせ、この表現にぴったりはまる。
キリエでは①Kyrie eleison の主題に続き、②Christe eleisonの主題が続く2重フーガ、どちらもバロック的だが、特に②の主題は深い淵に引き込む力がある、
sc b
また①の主題は過去の作品、ヴェスペレ K.339の"Laudate pueri"と性格が似ているが、Bから低音C♯への下降跳躍が不安を印象づける。
sc a
ヴァイルはフーガ合唱も速めのテンポでくっきりと輪郭を与える。
続くディエス・イレは期待どおり、さすがの切れ味、
コンフターティスは恐ろしげな「呪われし者どもを罰し・・」に対して「祝せられし者達と共に・・」の救いの声、
sc06_2016080821412617f.jpg
ここはテルツ少年chorのsop、altが格別に響く。
モーツァルトが絶筆となるラクリモサでは淡々とした弦楽で始め、合唱では深々と引き込む、

このあとモーツァルトの楽譜は白紙状態だが、仮に参考となるスケッチや指示を受け取っていたにしても、それだけで曲は出来ない、やはりここを作り上げたのはジュスマイアほかないと思われる。ヴァイルの演奏のベネディクトゥスはからりと晴れ渡った空のように伸びやかで安息感を与える。
最後のコンムニオは入祭唱が転用されるが、もう一度聴きたい曲なので、これで見事に完結していると思う。
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