Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

M.A.ヴィレンズほか:F.リース 2つのホルンのための協奏曲  

ベートーヴェンの弟子、フェルディナント・リースの興味ある協奏曲のアルバムで、当盤はカップリングされたヴァイオリン協奏曲がお目当てで取り寄せたが、まず"2つのホルン"がとても気に入ったので、今日はこちらについて書きます。
"ヴァイオリン"のほうも素晴らしいが、あらためて^^

現代のホルンはピストン操作で管の長さを変え、必要な音程を得られる構造だが、昔は自然倍音のみ発音できるナチュラル・ホルンだった。朝顔に手を入れて空気抵抗を変え、音程を操作するストップ奏法が開発されて、ある程度自由な演奏ができたが、素早いテクニックは難しかった、また手を差し入れた度合で音にミュートがかかる、という変化が起きる、これもホルンらしい味と言える。
Natural_Horn.jpg
ナチュラル・ホルン
モーツァルトなど古典派期のホルン協奏曲はこの楽器のために書かれ、複雑な演奏はできないため、曲も簡潔であった。フェルディナント・リースの時代でもホルンは変らなかった。
リースは2つのホルンのための協奏曲を書いているが簡潔な作品ではなく、ピアノ協奏曲並みの規模と内容になっている。これを当時のままナチュラルホルンで演奏した当盤の録音は貴重なものかも、
ries horn con
トゥーニス・ファン・デア・ズヴァールト (ホルン)
エルヴィン・ヴィーリンガ (ホルン)
ケルン・アカデミー (ピリオド楽器)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ (指揮)
 


2つのホルンのための協奏曲 変ホ長調 WoO 19
第一楽章、古典派後期のスタイルで、前奏はあのフンメルのtrp協奏曲のような明るい活気がある、主題はピアノ協奏曲にでも編曲できそうなもので、前奏部を聴いているとピアノ協奏曲が始まるみたいな雰囲気、2つのホルンで勇壮に和声を奏でるところ、また1つが旋律で1つがアルペジョを吹く、まさにピアノ風のところ、と巧みに聴きどころが作られる。このアルペジョがいかにもたどたどしいが、あえてそれを"味"として狙ったようだ。つい聴き入ってしまう味わいがあり、モーツァルトのホルン協奏曲を思わせる要素も多分にある。
第二楽章、短調の始まりはホルン作品らしくない印象だが、長調に転じる、ここではホルンの伸びやかに歌う美しさを聴かせる、ホルンの"最低音"など技巧的な聴かせどころも置く、中間部は短調で劇的となる。
休みを置かず終楽章のロンドに入る、2つのホルンが対決するような掛け合いを聴かせたり、長いトリルを奏でたり、わりと長丁場に聴きどころを盛り込む。これがナチュラルホルンだからこそ面白いのかもしれない。
ソロ楽器の特徴抜きで言っても、ベートーヴェン時代の協奏曲として良く出来ていて、リースの高い技量とセンスを感じる。
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