Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

R.タック:C.ツェルニー ピアノ大協奏曲イ短調  

ピアノを学ぶ上で誰もが恐らく避けて通れないエチュードを書いたことで有名なカール・ツェルニー(1791-1857)は、幼くして才能を発揮し、10歳でベートーヴェンに弟子入りした。F.リースから見れば年若い弟弟子ということに、またツェルニーはクレメンティやフンメルにも師事していて、当時最先端のピアノ奏法を習得したと思われる。
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カール・ツェルニー(1791-1857)
ただ、ツェルニーはピアノ奏法に関する著書の出版や教授活動に力を入れ、演奏活動は自分の作品で脚光をあびる意思はあまりなく、師ベートーヴェンの作品を広めるほうに積極的だったらしい。弟子にはあのフランツ・リストがいる、またブラームスもツェルニーのピアノ著書を高く評価していたとのこと。近年、いくらかツェルニーの演奏会用作品が録音されるようになった。ピアノ協奏曲など、まさに教材を書いた人らしい内容ではなかろうか;
czerny pf con
ローズマリー・タック (ピアノ)
リチャード・ボニング (指揮)
イギリス室内管弦楽団
録音 2014年12月16-18日 ロンドン ケニス・タウン,聖サイラス教会


ピアノ大協奏曲イ短調op.214
第一楽章、アレグロ・モデラート、オケで始まる主題はすっかりロマン派的趣き、ピアノソロは主題に基づき、じつに粒立ちの細かい華麗なテクニックを繰り広げていく、ピアノの高域部分を多用し、くっきりと耳に届かせる。オケは間奏や終結部以外はほとんど助奏の役割で、あくまでピアノソロに集中させる、
第二楽章、アダージョ・コン・モート、ピアノで始まる、ひじょうに短い楽章で、やはりピアノソロの緻密な技が聴きどころ、
終楽章、ロンド、アレグロ・コン・アニマ、第二楽章からアタッカでピアノがテーマで入る、ロンドの繰り返しでピアノのありとあらゆる妙技を聴かせて行く。
ピアノソロに関してはひじょうに優秀でセンスも良い作品だと思うが、コンチェルトとしての全体の出来は月並みというか、踏み出してくるものがない、ベートーヴェンや兄弟子リースのようなオケを活かした的を絞った力感がほしいところだ。
カップリングされた、≪華麗な大夜想曲 Op.95≫と≪ロッシーニの歌劇「コリントの包囲」からギリシャ人の行進曲による演奏会用変奏曲 Op.138≫、ともにピアノ・テクニックを堪能したい向きには良いかもしれないが、私にはいささか退屈である、Op.95のテーマがなんとも平和過ぎて"食欲"が湧かない;
世界初録音も含む当演奏はピアノをローズマリー・タックが希少な達演で聴かせる。
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category: その他・ロマン派

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コメント

ツェルニー

michaelさん、こんばんは。
ツェルニー、懐かしい名前です。小さい頃、いやいやピアノを習わされたのですが、「ツェルニー」、特につまらなくて大嫌いでした(笑)。
ツェルニーさん、ピアノ大協奏曲なんて立派な曲を残していたんですね。なんだか、とても気になります。

ばけぺん #- | URL
2016/08/24 22:38 | edit

エチュード

ばけぺんさんこんにちは

私も子供に習わせていた頃、バイエル~ツェルニーと一緒にお稽古を付き合うことになりました;中断しましたが・・;ツェルニーのような人は注目を浴びるより、地道でも大事な仕事をすることに価値を見出す、学者肌かもしれませんね。あまり面白くないエチュードも後になれば恩恵を受けていた・・ということかも。

michael #xNtCea2Y | URL
2016/08/25 16:09 | edit

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