Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

S.ラトル:ハイドン 交響曲No.91&No.92「オックスフォード」  

ハイドンの演奏に当って、あまりにいじりまわして嫌味に感じる場合もあるが、先日のK.ベームはそんなことは一切ない。
しかし、楽譜に記された以外の強弱や表情記号も作品の表情を適切に捉えた追加なら大いに良い、今日はそれを見事に聴かせるサイモン・ラトル指揮、BPOによる、「91番」と「オックスフォード」。
rattle hay sym 91 92
サイモン・ラトル指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
2007年 EMI ベルリン、フィルハーモニー

ラトルはバーミンガム市響と録音した頃と変わらず、強弱を幾重にも設定したような巧みなデュナーミクを速いテンポの中で緻密に表現していく天才的な手腕。BPOのサウンドは現代のハイドン演奏にふさわしい澄んだ響きと鋭いダイナミズム。

91番変ホ長調
第一楽章、序奏は主部の主題要素を含んだ優美なもの、主部は快速なテンポ、ゆったり始まる第一主題、36小節からのfはラトルは思い切って弾ませ、心地よさこの上ない、澄んだ弦楽の響きと木管の色彩もじっくり味わえる。第二主題は涼やかなレガート、低弦も明快に押し出し、展開部の対位法も立体的に聴かせる。
第二楽章、内容豊かな変奏形式だが、ラトルはさらに時代趣味に乗っ取った装飾演奏をふんだんに加え、特にファゴットのソロが技を聴かせて華を添える。
メヌエット、活気と切れ味の演奏で彫が深い、レントラー風のトリオではテンポを緩め、穏やか、ここもファゴットの装飾演奏が目立ち、ファゴット・コンチェルトみたいな印象。
終楽章、この楽章も展開部のみならず、終結に至るまで対位法を散りばめた聴き応えをもつ、ラトルはやはり快速なテンポに緻密なコントロールで表現すべき内容を隙なく実現する。

92番ト長調「オックスフォード」
第一楽章、序奏はぐっと弱奏で涼やかに開始、主部アレグロは速いテンポでキビキビと歯切れ良い、弱奏で開始してfに入る25小節、timpを少し荒々しいほどに効かせる、展開部の116小節で一旦ぐっとpに押え、122小節に向けてじりじりcresc.をかけるところなど、じつに効果的で引き付ける、
sc04_20161004114045497.jpg
同様の効果を随所で用いる。
第二楽章、三部形式のアダージョはゆっくり深い息づかいで始める、ニ短調の中間部は少し速めになり、ダイナミズムで切り立てる。最初のテーマに戻り、最後は中間部テーマを穏やかに聴かせて終わる。
メヌエット、現代らしい速めのテンポだが、大きなスパンでまとめた強弱表現が心地よい、トリオではホルンがエコーの効果を出し、新鮮な聴きどころにする。
終楽章、プレスト、快速で切れ味よく、寄せては引く強弱の波、ぐっとpに押えてfの効果をだすが、BPOは決して乱暴な響きにならない、また聴かせるべきパートはぐっと浮ばせる。
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category: F.J.ハイドン

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