Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

好録音再聴:J.M.クラウス-フルート五重奏曲  

古典派は多くの作曲家達が共通様式で書く時代だったが、そこに個性を見出すのが面白い、
J.M.クラウス独特の個性もすっかり気に入ってしまった。
J_M_Kraus.jpg
ヨーゼフ・マルティン・クラウス(175-1792)はドイツ出身でスウェーデン国王、グスタフ3世の宮廷作曲家となり、1782年から4年間、イタリア、ウィーンなどへ音楽修行に出ることとなった、ハイドンを訪ね、交響曲ハ短調(VB142)を献呈している、また彼はフリーメイソンに加入し、モーツァルトと面識をもった可能性もある。ハイドンはクラウスを「モーツァルトに匹敵する才能」と言ったと伝わるが、作品からあり得る話だと思える。
今日はJ.M.クラウスのフルート五重奏曲ニ長調、1783年にウィーン滞在中に書かれたことから、Vienna flute quintetと呼ばれる、これは古典派室内楽の珠玉の傑作と言いたい。
flは名人級に書かれていて、5つのパートが対位法的に巧みな書法になっているうえ、まるで即興的にできたかのような、流麗なはこび、あの「タルティーニの夢の悪魔」のような存在から授かったような、インスピレーションに満ちた曲だ。

フルート五重奏曲ニ長調(VB188)
第一楽章、アレグロ・モデラート、弦楽のみで息の長いテーマが始まる、
sc vn 1st
13小節からflが高域でコンチェルト風に入る、
sc fl
とは言え、あくまで室内楽、以降flは1つのパートとして扱われ、5つのパートが織りなす巧妙な対位法的絡みが素晴らしい、ソナタ形式だが、あまり形式を意識させずに進む、展開部、再現部との境も区別しがたいほど充実、終結もじつに念入りで長い楽章だが短く感じる。
第二楽章、緩抒楽章のテーマは純粋で気取りのない味わいがクラウスらしくて良い。各楽器が交替で変奏するが、変奏の手腕よりも自然な美しさに惹かれる。
終楽章、これも巧みな内容でスリリングなアンサンブルの面白さを盛り込んで、引き付けてやまない。クラウスはフーガ書法も巧みだが、この作品では用いず、それが功を奏している。

手元には2枚のCDがあるが、まず、ヤープ・シュレーダー(vn)率いる5人の演奏、
kraus fl qu01kraus fl qu01cd
Lena Weman, treversflote
Jaap Schroder, violin
Per Sandklef, violin
Bjorn Sjogren, Viola
Kari Ottesen, Cello

ひじょうに端正な好演で、作品の真価を詳細に聴かせてくれる。
参考動画:Joseph Martin Kraus - Flute Quintet in D major

もう1枚はコンチェルト・ケルンゆかりのメンバーの演奏、
kraus fl qu02kraus fl qu02cd
マルティン・サンドホッフ(fl.トラヴェルソ)
シュパンツィヒ弦楽四重奏団
 
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こちらは腕利きの5人が快速に演奏、心地よいアゴーギグや装飾を効かせた魅力的快演、
第一楽章は提示部の反復をして、12:59となるが、もっと聴きたいほど。
第二楽章は清涼、終楽章も切れ味よく引きつける。

今日もご覧いただきありがとうございました。
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category: J.M.クラウス

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