Micha クラシック&リュートの楽しみ

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重力マイクロレンズ  

重力レンズは大きなスケールでは数十億光年離れた銀河の光を手前にある重力源(銀河やダークマター)が曲げてその像を歪ませることが知られていますが、micha
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HST撮影:SDSS J1038+4849 (重力レンズ効果)
銀河系内の恒星が*固有運動で、運良く遠くと手前に重なって見えるときでも一過的に小規模な重力レンズの効果が現れる、これを重力マイクロレンズ現象と言います。
*恒星の固有運動は1718年にエドモンド・ハレーによって発見された。彼はシリウス、アークトゥルス、プロキオンの位置が、古代ギリシアの天文学者ヒッパルコスが約1850年前に記録した位置よりも0.5度以上動いていることから、固有運動の存在に気づいた。(Wikipediaより)
因みに0.5度角は月の視直径と同じくらい。


これまで系外惑星の発見法として、
ドップラー法:大型望遠鏡で惑星の重力による中心の恒星の揺れで確認する
トランジット法:ケプラー宇宙望遠鏡のように恒星の前を惑星が横切って遮る減光で捉える
を挙げましたが、重力マイクロレンズ現象のチャンスを狙うのも方法の一つです、
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この場合、観測対象となる恒星が固有運動でその後方にある光源星を横切った際、重力で光源星を増光させる様子を捉えます、ちょうど虫眼鏡が前を横切るような現象。
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恒星の重力による増光のピーク以外に小さなピークが現れると、そこを周る小さな重力源、「惑星」や「褐色矮星」などが存在するとわかります。重力マイクロレンズの長所は前述の2つの方法より、数千~2万光年という遠い距離でも発見しやすいことです。
ただ、恒星が固有運動で、同じ方向に、遠くと手前に具合良く並ぶ確率は低いので、星が密集する銀河系の中心方向(いて座付近)が観測の場となるそうです。

NASAジェット推進研究所が2015年に観測した、連星系の褐色矮星:OGLE-2015-BLG-1319(さそり座といて座の境界付近)は地上望遠鏡が先に重力マイクロレンズ現象を捉え、さらに赤外線観測衛星:スピッツァーとガンマ線観測衛星:スウィフトで観測を行った、
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褐色矮星OGLE-2015-BLG-1319(左)と主星の想像図
グラフは光度変化で、灰色が地上の望遠鏡、青がスウィフト、赤がスピッツァー(資料:NASA/JPL-Caltech)
情報:AstroArts

大きく離れた位置にある2つの観測衛星が連携で観測し、マイクロレンズ現象を解析することで、天体の存在だけでなく、質量や距離を計算することができるそうだ。

とてつもなく遠くのことがわかるって、自分的にはわくわくするんですね。
今日もご覧いただきありがとうございました。
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category: 宇宙・天体

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コメント

こんばんは。

michaelさん、ご無沙汰しております。

いつも興味深いトピックで勉強になります。なるほど重力がレンズの役割をすることで星の存在がわかるんですね。その事実そのものも凄いですが、それを解き明かした人々、凄すぎ。尊敬します。michaelさんの博学にも脱帽です。

ばけぺん #- | URL
2016/11/20 21:42 | edit

ばけぺんさん こんばんは
コメントありがとうございます。

興味があって聞きかじったことをちょろんと書いているだけですけどね^^;
しかし紀元前の学者が残した記録から、18世紀の学者が恒星が動くのに気付いたっていうのも、時を隔てた連携で凄いと思います。

michael #xNtCea2Y | URL
2016/11/21 00:57 | edit

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