Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

恒星の固有運動  

アンティキティラ島の機械が発見されて、古代ギリシャには精巧な機械技術があった明確な証拠となった。アストロラーベという精密な方位観測器も当時からあって、ヒッパルコス(紀元前190頃-紀元前120頃)が残したと伝わる多数の恒星の位置を記録した星表も正確だそうで、こうした器具で観測したと思われる。micha
Hipparchos_1.jpg
ヒッパルコス
星座を形造っている恒星も動いている(固有運動)って、今はよく知られているが、それに最初に気づいたのがエドモンド・ハレー(1656-1742)だそうで、意外に近代のことだ。
Edmund_Halley02.jpg
エドモンド・ハレー
肉眼で手動の観測には多少の誤差は生じたにせよ、多くの星の位置が正確に記されているのに、よく見える明るい星が、やけにずれている(月の視直径を超えるほど)となればおかしい、とだれもが思うことだが、過去の記録と比べないことにはわからない、ハレーは約1850年前のピッパルコスの記録と照合し、それに気づいた。
ハレーが見出した、動きが大きかった恒星は次の3つで、現在のデータでは、
シリウス
(距離:8.6光年、固有運動:赤経 -546.01ミリ秒/年,赤緯 -1223.07ミリ秒/年)
アークトゥールス
(距離:36.7光年、固有運動:赤経 -1093.39ミリ秒/年, 赤緯 -2000.06ミリ秒/年)
プロキオン
(距離:11.4光年、固有運動:赤経 -714.59ミリ秒/年, 赤緯 -1036.80ミリ秒/年)

*Wikipediaには3つめをアルデバランとしてあるが誤り
と、さすがに数値が大きい、アークトゥールスはやや遠い距離だが、それだけ、我々との相対速度が速い、高速度星である。

人間の一生の時間に動きが見られるのが、へびつかい座のバーナード星で、(距離:5.95光年、固有運動:赤経 -798.58ミリ秒/年, 赤緯 10328.12ミリ秒/年)
100年で満月の半分角(17.2秒角)動く。
Barnard01.jpg
赤緯の北極方向に非常に速く昇っていく、近いせいもあるが絶対的な動きも速い、
バーナード星の固有運動→動画(*画面下が北極方向になる)
ただ9.5等星なので肉眼では見えない、条件が良ければ口径4cmでぎりぎり見えるらしい。
Barnard02.jpg
バーナード星は現在へびつかい座のこのあたりかと思われる
このような高速度星は星雲の中で一緒に生れた星達が互いに接近し、小さな星が大きな星にスウィングバイ効果ではじき飛ばされる、というのが考えられる、
加速スウィングバイ→動画
バーナード星は赤色矮星でひじょうに小さく、108km/秒という高速で旅して、たまたま我々の前を通り過ぎるところかもしれない。

ご覧いただき、ありがとうございました。
関連記事

category: 宇宙・天体

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/1341-370435a1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

ブロとも一覧