Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

補償光学 ≪追記あり≫  

また、望遠鏡です;もうちょっとご辛抱ください^^;
昨日は台座部分でしたが、今日は光学部分です。

知らない間に次々と巨大望遠鏡の建設計画が決まっているようだが、もしTMTが機能すれば「月面上の蛍の光が見える」「東京から大阪にある1円玉を数えられる」という話を聞く;
こうした大口径を地上で十分活かすには、大気による像の揺らぎを補正する補償光学の技術向上が不可欠になってくる。
tmt02_20161204081235573.jpg
TMT(Thirty Meter Telescope)
以前は大気の揺らぎの対策として、同じ天体を短い露光で連写して、偶然揺らぎの少ない画像だけ選び出し、それらのデータを重ねて露光を確保した画像に仕上げる事後処理の手法が取られた、これでベテルギウス周辺のガスの分布を捉えたという画像を見た。しかし、補償光学はリアルタイムで、今来ている光を補正する高度な技術である。
概略は観測方向の光波面の揺らぎを波面センサーで検知し、大気の揺らぎが変化しないうちに、望遠鏡の光路に置いた形状可変形鏡を作動させ、揺らぎを打ち消すという高速技だ。
2016_20170504170409933.jpg
装置の主要部分はまず波面センサーが光波面の揺らぎを捉え、それを制御システムに送り駆動力に変えて、次の可変形鏡の鏡面を変化させる、この鏡面を反射した光波面は揺らぎの打ち消されたフラットな状態になる、音響システムのピックアップ、アンプ、スピーカーの流れに似ているが、違うのは鏡面を細分化して揺らぎを打ち消す形状を作るところ、可変形鏡には電圧をかけると変形する圧電素子を使ったものが多いそうで、1ミリ秒の速さで目的の形状になり、補正に追いつける、この補正動作は毎秒数100~数1000回繰り返される。
また波面センサーが機能するには観測天体のそばに明るい星(ガイド星)があると十分な波面データが得られ、補正率が良くなるが、ガイド星がない場合、上空90kmにあるナトリウム層にレーザー光(波長589nm)を当てると発光し、人工のガイド星にできる。

今まで補正が可能なのは、波長1μm以上の近赤外線に限られていた、可視光域の補正にはさらに細分で高速な処理が必要なためだが、2012年、すばる望遠鏡に高性能補償光学装置を搭載、可視光の補正に成功した、補償光学はコロナグラフによる系外惑星の直接観測など各種観測の分解能も高められるので、技術の向上が期待される。宇宙望遠鏡は打ち上げ時の機材の性能に頼ることになるが、地上望遠鏡はいつでも新開発の機材に交換できる。TMTはハワイ、マウナケア山に、E-ELTはチリ、セロ・アルマソネスに、いずれも2021年に完成予定だ。
E ELT
E-ELT(欧州超大型望遠鏡)

追記:可変形鏡について
pp892013.jpg
説明は→東京大学 大学院理学系研究科・理学部ページ

ご覧いただき、ありがとうございました。
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