Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

モーツァルト:協奏曲 K.314、古楽器による演奏  

K.314といえば、お馴染みモーツァルトのオーボエ協奏曲ハ長調(1777)とフルート協奏曲No.2ニ長調(1778)で、同一曲であり、一般にはobのために先に書かれ、flのためにほぼ変更なく移調編曲されたと言われるが、確証はないそうだ。ob協奏曲の草稿は1920年に指揮者で研究家のベルンハルト・パウムガルトナーがモーツァルトの息子の遺品から発見している。
モーツァルトは自ら演奏したこともあって、ピアノ協奏曲が断然多いが、明快な管楽器のための協奏曲はやはり聴きやすく心地よい。m

じつに多くの録音があるが、当時の楽器、バロックob、flトラヴェルソによる録音が意外に少ない、半音進行やパッセージなどクロスフィンガリングの難しい技術の要りそうな曲でもある。
例として第一楽章に、難しそうな半音進行[147]もあるが、
1 mo ob 02
2 mo fl 02
もちろん、ここばかりではない。それぞれの楽器に応じ、適した変更がされた部分があるが、曲そのものの魅力は損なわれず・・というかflではより魅力的な効果を加えているようだ、
[44]はflではオクターヴ跳躍になる、
3 mo ob 01
4 mo fl 01
第二楽章はさすがにモーツァルトの群を抜いた美質が際立つ、緩抒楽章でのこのような旋律の跳躍的動きが心を満たす。
moz fl con02
第三楽章ロンド・アレグロは軽快で、より技巧的、装飾的な聴きどころを置く。

手元にある音盤で、まずバロックobによる演奏、
moz ob con
アルフレード・ベルナルディーニ(バロックob)
ジョナサン・コーエン(指揮) アルカンジェロ  
2014年 hyperion

今のところ、バロックobでこれに勝る演奏は見当たらない、コーエン指揮のアルカンジェロは程良く快速、透明感心地よく、vn2やvaのパートも明瞭に聴ける、この曲はソロの入りから聴かせどころだが、ベルナルディーニの滑らかさは申し分なく、バロックob独特の高域のツーンとくる響きは格別、装飾を加えた演奏もセンス良い、モダンobに対し、ある程度のぎこちなさ、というのが出るものだが、当演奏は流麗で、手作りな味わいが貴重だ。
第二楽章では、より"声"に近い表情を出せるのがわかる。
終楽章、幾分落ちついたテンポで装飾的パッセージをぴたりと決め、端正に引き付けて行く、カデンツァの演奏で一部、オケのobがハーモニーを添わせる。

次はflトラヴェルソによる演奏、
moz fl con
菅きよみ(flトラヴェルソ)
鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ
2003年 Arte dell arco

過去の録音ではバルトルド・クイケンの演奏が今も名演として価値が高いが、DHMによる録音は少々音質が硬いのが惜しかった。
近年の演奏で当盤はナチュラルな好録音も含め、貴重だと思う、菅きよみのflトラヴェルソのまったく淀みのない技術は素晴らしい。
第一楽章、当時に倣い前奏部分からソロflもvn1のパートを一緒に吹く、この一体の響きから魅力である、ソロの入りまで沈黙するよりこのほうが良い。急楽章においても微妙な音程のゆらぎを効果的に用い、flトラヴェルソならではの深い表情が感じられる。
第二楽章、弱奏でこの上なく柔らかで神聖な趣きに満たされる、純正な音程の味わい。
終楽章、装飾的動きが転がるように心地よい、ソロとオケがポリフォニックになる部分も弱奏で明瞭に聴ける。

ご覧いただき、ありがとうございました。
関連記事

category: モーツァルト

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/1464-b34f8985
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック