Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

リュートの変形  

リュートの響板はひじょうに薄い、といつも書いていますが、1.5~2.0mmの間でしょうかね、位置によっても厚さが調整されているようで。そこに、多数の弦を張ります、バロックluteでは1本当りは緩いものの、総計で人の体重ほどのテンションになります;歴史的にはおそらく緩い設定だったと思いますが、どの程度が適正か?はっきりとはわかりません。
*奇士さんのブログに興味深い調査結果があります→「続 ホルバインのリュート」
しかし張力を最小限に押えたとしても、結果的には響板や楽器全体の変形はおきてきます。響板に限って言えば、このように、ブリッジを境に弾弦側が凹み、底部側がもち上がる、
outotu02.jpg
"これがリュートの形状"だ、と言えると思います;
*結果的に弦と響板が少し離れたほうが弾弦しやすいことにもなります。
また響板の補強に内側に力木が貼られていますが、
20120917.jpg
ブリッジの真裏は避けてあります、そうでないと鳴らない。
この変形にも限界点があると思うので、弦高の調整をしながら、演奏に支障ないところで止まってくれればいい、限界点に耐えられないほど華奢に作られた楽器は、鳴るんだけど、クラックが生じやすく厄介です。

この13c.luteはやや変形が目立つけど、このあたりで安定してくれるのでは?と思っています;弦高に関わる修理は2度行いました。
13c lute

こちらの11c.luteは古いですが、意外と響板の変形は少ないほうです、ただし全体的な変形で何度か修理はしました;
11c lute

ただ、この6c.luteは殆ど変形はなく、一直線です、弦数が少ないのもありますが、響板そのものも厚みがあるようなんです、
6c lute
鳴り方も他のluteとはやや性質が異なり、響孔が大きめで「ヘルムホルツの共鳴箱」の効果を活かしたような? 19世紀ギターを思わせる鳴り方です、
20130402190814a0e_20170527084804d5a.jpg
こういうのも歴史的に有りなのか?

PS.同じく響板にブリッジを貼りつけたギターでも僅かながら変形はするでしょう、
過去にA.トーレスのデッドコピーを見たとき、かなり変形していました、これには現代のギター弦は強すぎるのかもしれませんが。

ご覧いただき、ありがとうございました。
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category: 楽器について

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コメント

そうなんですよね。
リュートのコンディション管理で厄介な点は、変形とクラックですね。
そう頻繁には蓋を開けたくないですし。
自分のリュートにおいても、変形はありますねえ。
蓋を開けますと、パーフリングが割れてしまいそうで。装飾があると、こういう時に難儀です。羊皮紙仕様にしてしまおうかなあ、と検討していたのですけどね。
止めたほうがよいか・・。悩みます。

白クマ #- | URL
2017/05/27 19:49 | edit

白クマ さん こんばんは

上の写真の11c.luteも何度か修理いただいたうちに、羊皮紙になりました、リブを削って弦高を下げたので、響板の端が出っ張って合わなくなり、合わせるためにパーフリングごと削ることになり、こういう段階では羊皮紙にせざるを得ないようです。
古くなってきた楽器に真っ白な羊皮紙って、けっこう絵になる感じで気に入ってますけどね^^

michael #xNtCea2Y | URL
2017/05/27 20:46 | edit

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