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Ia型超新星の爆発メカニズム  

太陽の8倍以上の大質量星が一生を終えると単独で超新星爆発をおこすが、爆発の規模(明るさ)はその質量によって違ってくる、超巨星なら極超新星という規模になる。一方、太陽のような星が寿命を終えると白色矮星となるが、宇宙の大半の星は連星を成しており、先に寿命がきた白色矮星は相方の星からガスを引き寄せて質量を増していく(質量転移)、その質量がある一定量(チャンドラセカール限界:太陽の1.26倍)に達したとき爆発するのがIa型超新星で、その明るさは全てがほぼ同じになる。
eso1028a.jpg
esa想像図:大きな星ほど寿命が短かいので、かつては白色矮星のほうが大きな星だった
sn1604_20171014105427ed3.jpg
ケプラーの超新星(SN1604)の残骸、これもIa型だったらしい
Ia型超新星が現れるのは1つの銀河で100年に1度の確率だが、広い視野で多くの銀河を観測し続ければ短期間にいくつも発見できる、東京大学の姜継安氏らチームは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ:HSCを用い、2016年4月にIa型超新星の爆発を初期時点で発見し、各地の望遠鏡も爆発の経緯を詳細に追観測した。研究チームは白色矮星の表層にあるヘリウムが核融合反応を起こした結果であると考え、超新星爆発の明るさと色の変化を天文学用スーパーコンピューター「アテルイ」でシミュレーションしたところ、すばる望遠鏡で観測された爆発最初期の急激な増光と色が説明できることが確かめられた。
fig1.jpg
すばる望遠鏡が撮影した銀河のはずれで爆発した直後のIa型超新星(矢印)、(左)2016年4月4日、(右)2016年4月5日、(資料:東京大学/国立天文台)
ヘリウム層での核融合反応ではカルシウムやチタンが作られると予測されるが、この超新星が最大光度に達したときに観測したスペクトルにカルシウムやチタンによる吸収線が強く見られたのも、初期の増光がヘリウム核融合反応によることを裏付ける。(超新星が"Ia型"である、とわかるのも、このスペクトル分析による)
初期増光の後、この超新星はIa型超新星としては平均的な明るさの時間変化を示した。これはヘリウムの核融合反応が起爆となり衝撃波が白色矮星の中心に伝わり、中心部で炭素の核融合反応が生じて星全体が爆発したと考えて説明できる。ヘリウム層の爆発がどのように観測に現れるのかを理論で示し、観測で実証したのはこれが初めてとなる。
9171.jpg
白色矮星の表層にあるヘリウム層で核融合反応が起こり、中心に衝撃波が伝わって炭素の核融合反応が始まった直後を描いた想像図(資料:東京大学)

Ia型超新星は遠方天体までの距離を測定する距離梯子の重要な1つだが、爆発メカニズムの解明によって距離測定の精度が高まることが期待される。
hasigo03.jpg
距離梯子:各測定法の線が重なった部分で梯子が繋がる、年周視差が全ての土台となる

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