Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

J.T.リンデンのモーツァルト36番  

さっそく、J.T.リンデン、MAAのモーツァルト全集、36番「リンツ」から聴きました。

moz36

古典派を演奏する古楽オケの弦は音量が弱いにもかかわらず、さほど大勢ではない場合が多いです、第一vlだけでも4~5人程度だったり。狙いは"大勢が弾く量感"よりも、"集約された1本の楽器の音"のように美しく響き、パート音としてしっかり聴こえるのが大事ということでしょうか。実際ザワついた音よりも一点集中した美音のほうが存在がはっきりして、第一vl、第二vl間など和音が美しく聴こえます。当時も特別な機会を除けば、ほとんどの演奏はエステルハージ・オケくらいの規模が普通だったことと思います。当盤もそれくらいの編成のようです。ザロモン・オケくらいに増強したクイケンのラ・プティット・バンドも音づくりの本質は同じかと思います。
J.T.リンデンはチェロ、ガンバ奏者で、T.コープマンに師事、アムステルダム・バロックOの奏者も務め、数々の古楽演奏の場で活躍しています。

jtl

さて、36番ですが、短期間の録音にもかかわらず、よく練られた演奏です。
Mozart: Symphony 'Linz' No.36 J.Ter Linden
序奏部の最後の響きがじつにいい、じんわりと弾く弦にドスンと管打が重みを入れるタイミングが絶妙、一瞬のことですがこの曲の聴きどころになっています。主部は快活ななかでも、各音のデュナーミク、適切な切り具合による細やかな歌いこみ、じっくり聴く内容が詰まっています、自身も弦奏者であるし、師コープマンの演奏も彷彿とさせます。
第二楽章はさらにそんな表現が深まります。ただ流麗なだけの演奏じゃ眠くなるところ、そうはさせません^^フォルテとなるべきところ、意外に弱音で弾きます、聴き手の気分をフォルテへと誘い、そこで美音を聴かせます。(これは音量に乏しいギターやリュートでは必須の技ですね )
メヌエットは幾分早めですが、清々しさ抜群。
終楽章は普通くらいのテンポ、全楽章でも言えますが、柔らか基調の中で、きりっと気分を絞める好演です。
録音はどこか強調したようなところのない、ナチュラル音質です。中低域の量感に欠けた録音はダイナミズムに支障をきたしますが、その問題もなくバランスも良好。
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category: モーツァルト

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