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重力レンズで捉えたハッブル定数  

当ブログでたびたび取り上げる、宇宙のものさし、「ハッブル定数」について、新しいニュースがあった、
ハッブル定数:H0(km/s/Mpc)とは宇宙膨張により、1メガパーセク(3.26156光年)の距離間で毎秒何km遠ざかっているかを示す定数である、遠い天体の赤方偏移を調べ、ハッブル定数を用いて計算すれば天体までの距離(光路距離)を容易に求めることができる、遠い天体ほど相対的に赤方偏移は大きくなる。 
hasigo_20190202115327e08.jpg
問題はハッブル定数の数値をいかに正確に求めるかであり、1929年にエドウィン・ハッブルが測定して以来ずっと続けられている。
2001年5月、HSTの測定で72±8km/s/Mpcと求められ、チャンドラX線観測衛星、WMAPやプランクミッション(宇宙マイクロ波背景放射)、Ia型超新星に基づく測定、アルマ望遠鏡(サブミリ波)、ガイア計画など、光学や電波を用いた測定に加え、LIGOを使った重力波による測定結果も出ている、
参考:ハッブル定数の公表値の変遷(Wikipedia)
概ね平均して70km/s/Mpc前後を大きく外れる結果は出ていないが、最小値と最大値の間には開きがある、仮にH0を70km/s/Mpcとして、M104銀河(赤方偏移0.003642)の距離を計算すると約5000万光年となる、
M104 GM104
m104_2019020211322364c.jpg

さて、このほど米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のSimon Birrer氏らは、これまでにハッブル定数の距離計算に利用されていない光源として、クエーサーを用いた研究を行った。
宇宙の遠方にあっても明るい活動銀河であるクエーサーの姿が、同方向の手前にある銀河の重力レンズ効果で複数に見えているものがある、このクエーサーが変光を起こした際、複数の経路を通ってきた光は経路の長さの違いから時間差を置いて変光の様子が見える、
002_20190202113224999.jpg
この時間差でクエーサーまでの距離を推定できるそうだ、研究チームは二重クエーサー「SDSS J1206+4332」の観測により、ハッブル定数を「72.5km/s/Mpc」と導きだした。
15601_quasar.jpg
HSTが撮影した二重クエーサーSDSS J1206+4332(資料:NASA Hubble Space Telescope, Tommaso Treu/UCLA, and Birrer et al.)
これは過去にHSTなど光学観測で出た結果と一致する、ただ宇宙マイクロ波背景放射に基づく数値とは依然開きがある。これをどう見るか?それぞれの測定精度は良いが宇宙にはまだ知られていない要因があって、測定法の違いで差が生じるのか、あるいは各々の測定に誤差があるのか、今のところはっきりしない。
過去記事:複数のハッブル定数
過去記事:最新:宇宙の「ものさし」
そんな行けるはずもない遠い場所の事を知って何になる、との考えもあろうが人間にとって「知る」というのは「得た」に等しい価値がある。

ご覧いただき、ありがとうございました。
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category: 宇宙・天体

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