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宇宙の奥行き  

言葉のニュアンスというのは辞書の上では同義語でも使われ方の影響で微妙に違って捉えられる、「距離」と言うと万能語で、「隔たり」「奥行き」あるいは「distance」というと何か別格な印象、宇宙には相応しいようで、個人的には「奥行き」がピンとくる、
とりあえず、ここでは「距離」を使うが; 
Hubble_Extreme_Deep_Field_20190209100642e55.jpg
Hubble Extreme Deep Field
先日も宇宙の距離を求めるハッブル定数に触れたところだが、
重力レンズで捉えたハッブル定数
関連してくるニュースがあった、先日と同じくクエーサーを利用した研究結果であるが、こちらはクエーサーそのものの解析による。
クエーサーはその中心の超大質量BHが周囲の物質を猛烈に吸い込み、極めて明るい光を放つ活動銀河で、宇宙初期に近い遠方でも観測できる。物質を吸い込む際の摩擦で紫外線がさらにエネルギーの高いX線へと変わる、
Supermassive_black_hole_node.jpg
中心が超大質量BH、周囲を回る物質の降着円盤(オレンジ)、強い紫外線が円盤の周囲の高エネルギー電子(青)と衝突し、X線となる。【資料:ESA (artist's impression and composition); NASA/ESA/Hubble (background galaxies)】
クエーサーが放つ紫外線とX線の明るさの間には、一定の関係があることが前から知られていた、これからクエーサーの本当の明るさがわかり、観測上の明るさとの差から距離を推定できる、これもケフェイド変光星やIa型超新星のような「標準光源」となり、Ia型超新星よりずっと遠くを測定できる。
遠方のクエーサーの距離が多数わかれば、宇宙膨張の変遷もわかってくる、伊・フィレンツェ大学のGuido Risaliti氏、英・ダーラム大学のElisabeta Lusso氏らはXMMニュートンなど7000個以上のX線データを過去の観測から集め、これを地上のSDSSによる紫外線観測と組み合わせ、1600個のクエーサーの距離を求めた、この測定は宇宙の120億年前までをカバーする、一方、Ia型超新星は80億年前までをカバーするがこの80億年の範囲では宇宙膨張速度の値はほぼ一致する。しかし、もっと遠くの膨張速度は今回のクエーサー観測による結果と「標準宇宙モデル」とされてきた予測と食い違いがあるという。
15681_distance.jpg
クエーサーでしか調べることができないグラフの右の方(初期の宇宙)で、両者に食い違いが見られる【資料:Courtesy of Elisabeta Lusso & Guido Risaliti(2019)】
こうした食い違いは先日挙げた「ハッブル定数」も同様で、超新星や銀河団など近傍宇宙の観測で求めた値と、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)から求めた値に開きがある。
標準宇宙モデルに新たな要素を加える必要があると考えられている、解決策の一つが、標準モデルでは一定とされるダークエネルギーの密度が宇宙の年代の経過とともに増えていると仮定してみることだ。そこで今後、期待されるのがESAが2022年に打ち上げを予定している、宇宙望遠鏡「ユークリッド」である、
Euclid.jpg
Euclid
ユークリッドは100億年前までさかのぼって宇宙膨張の様子を観測し、ダークエネルギーの正体を調べるのが目的だ。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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category: 宇宙・天体

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