Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

V.ムローヴァ:ベートーヴェン vl協奏曲  

古楽器によるベートーヴェンvl協奏曲の演奏は今のところ2例しか知りません。
一つはヴェラ・ベス:vl、B.ヴァイル指揮:ターフェル・ムジークによるもの、もう一つは当盤のV.ムローヴァ:vl、J.E.ガーディナー指揮:オルケストル・レヴォリュショネール・エ・ロマンティークによるものです。
やるからには名演奏にしなければならず、古楽器のvlとオケでどうアプローチするか、鍵盤楽器以上に難しい課題が想像できますね。
ヴェラ・ベス盤が初演された頃の18世紀(古典派)的演奏習慣の残る演奏とするならば、ムローヴァ盤はメンデルスゾーンらによって復活演奏された19世紀的演奏ではないか?と思えるくらい違いがあって面白いです。
ガーディナーのオケは19世紀の演奏を目的としたものでしょう、シューマンの交響曲の録音がなかなか良いです。ムローヴァのvlはデータがありませんが当然、古楽器、ガット弦でしょう。

v mu be vl con

第一楽章、開始のtimpは、バン、バンと硬いマレットのやや倍音含みの響き、この楽章の動機を演奏するだけに主要な存在で、全曲を力強く引き絞めます。弦はすっきり涼しげですがふくよかさも感じます、木管は個々の楽器の個性がわかるほどに聴こえます。ナチュラル・トランペットはよく輝く。ムローヴァのソロvlは金属弦的なキューンと突き上げるような音はなく、しなやかでキメ細かな美音で全て作り上げます。ピアニッシモの夢想的な所になると、古楽器を使う意義が見えてくる感じです。カデンツァの作曲は現代の古楽指揮者で鍵盤奏者のオッタビオ・ダントーネだそうで、各主題を取り入れた作法にのっとり、ちょっとバロック的なパッセージが入ったり、巧みに多声的に聴かせたり、凝ったものです。
第二楽章はすこし付点を強調した基本リズムで軽やかさも持たせています。ここではさらにpppのレベルまで微かな表現で耳を集中させます。ベートーヴェンは緩叙楽章の傑作が多く、旋律に魂が込められていて長くても最後まで引き付けるんですね。
第三楽章、ソロによる主題の開始音はD弦の開放の余韻を響かせます。全体に軽快に乗せてくれますが、timpを伴った総奏がドシっと絞め、気高さも聴かせます。
絶対音量としてはモダン・オケのように鳴りませんが、不足に感じません。ムローヴァは何にしても上手い、卓越した美しいソロとオケが見事に完成度の高い演奏を作り上げていると思います。
なおこのCDはボリュームの設定に迷います;それだけ強弱表現が広い。

PS:古楽器の演奏、あとツェートマイアー:vl、ブリュッヘン:18世紀Oがありますね、聴いてみたいです。
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category: ベートーヴェン

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