Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

S.ラトル:ハイドン交響曲89番  

ハイドンのパリ・セットとロンドン・セットの間を埋める作品、いずれもいいですね。88番は親しみやすい曲相といい、巧みな構成美といい、人気曲となってしかりですが、次の89番もハイドン通には引けを取らない傑作として楽しめるでしょう。まずはサイモン・ラトル指揮:BPOから聴いてみます。

rat hay 90

第一楽章、トゥッテイの導入と続く弦の旋律で第一主題が弾かれます、副主題によって爽快に進み、結構粘ってから、明るい第二主題群が登場して閉じます。第二主題はその後も繋ぎ役のように使われます。展開部は短調で始まり、複雑で転調も多様な変化を取っています。本来の再現部であろう所も疑似再現同然、その後も溢れだすハイドンのアイデアを盛り込み最後まで展開部のように聴かせます。
第二楽章、原曲はリラ・オルガニータの為の協奏曲でシチリアーノのリズム、ややモーツァルト風のチャーミングでセンスの良いテーマ、オペラの一場面に出てきそうな音楽です。三部形式で短調の感傷的な中間部も味わいどころ、これも魅力な緩叙楽章です。
田園的なメヌエットもただのメヌエットじゃない。交響曲93番第一楽章展開部の一部を思わせる部分もあり、構成感で聴かせます、ここでもいつもと違うハイドンの手腕が盛り込まれます。テンポを落としたトリオでようやくゆったり気分にさせます。
終楽章、ロンド形式で、この楽章も舞曲的雰囲気。弦の思い切ったポルタメントが遊び心を聴かせます、ラトルはテンポを速くしすぎず、表情をよく聴かせます。一方、短調の中間部は対位法的で聴かせどころです。
全体にはやや小じんまりした作品ですが、無駄なところがないですね。

BPOのかっちり整ったアンサンブル、筋金の通った響きは流石です、ラトルの演奏は例によってリピートでは巧みな装飾演奏で楽しませます。
録音は明瞭であまり残響は目立たず、緻密に聴かせます。
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category: F.J.ハイドン

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