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Michael: Classic音楽,リュート,宇宙

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東西落語:「鹿政談」  

古典落語には本筋の短い話もあるが、桂米朝は枕に当るところで、当時の歴史的実態など、後学になるような話を加えて面白く聞かせる、あの桂枝雀も師匠の影響か、枕や本筋の中盤に話を挿入して短い話も楽しませている、
 
今日の話「鹿政談」の原作に登場する奈良奉行は根岸肥前守だそうだが、桂米朝は川路聖謨(かわじ としあきら)に代えている。
川路聖謨は真面目な人物像が残るようで、弘化3年(1846年)から奈良奉行に就任しており、奈良奉行というのは左遷先とされた所であるが、ここで6年に渡り実績を残した。
nara bugyosyo
奈良奉行所:復元模型

豆腐屋の六兵衛が夜の内から豆腐作りをして、絞りかすのオカラを樽に入れて表に出しておいたところ、野良犬が食っている、追い払おうと薪を投げつけたら、当たり所が悪く死なせてしまった、よく見ると犬ではなく鹿で、奈良では殺せば死罪となる神獣であった、根が正直な六兵衛は隠そうともせず、ひとまずお縄となったが・・
白州で奉行の川路聖謨は六兵衛を死罪にするつもりは毛頭なく、無罪となるよう仕向けて問うのだが、六兵衛は正直者で覚悟を決めている、そこで奉行は死骸を検め、「これは鹿に似た犬ではないか」と周りの与力に問い、与力らも察して同意する、鹿の守り役の代官はこれに異を唱えるが、奉行は、もしこれが鹿であれば、人家に餌をあさりにくるは空腹に耐えかねてのこと、幕府より十分なる餌代の支給があるにかかわらず、鹿が空腹なるは餌代を横領する者がおる疑いあり、本件はさし置き、そちらを先に詮議せねばならぬ、と脛に傷ある代官らに矛先が向いてくる、そこで代官も犬だと同意し、六兵衛は無罪となる。白州の場で役人の不正に迫るところ、先般の「佐々木裁き」に近い筋書きである、
beicho sikaseidan
you tube:米朝 鹿政談

さて、同じ話の江戸版で、三遊亭圓生の名調子を1つ、こちらは豆腐屋は与兵衛という名で、奉行は根岸肥前守である、話の舞台は奈良なので、白州の場で町人のセリフに関西弁が出てくるが、そこは上手いもの。
ensyo sikasoidan
you tube:名作落語76 三遊亭圓生 鹿政談

余談: 芦「あし」を「よし」とも読むのは"悪し"より"良し"が験がいいからそうなったらしく、現在、植物の芦は「ヨシ」が正式名らしい。
因みに日本の戸籍制度では氏名の漢字は家庭裁判所の許可がない限り変更できず、相応の事情(嫁いだ家の姑と同じ名だったり)があれば許可されるが、氏の変更は難しい、しかし、読み方はいつでも変更できる、戸籍や住民票に読み仮名を記すのは義務づけられておらず、役所により記しているが便宜上のものである、芦原で「あしはら」と名乗っていた人が「よしはら」にしてもよい・・っていうか読み方はまったく自由で、住民票等の読み仮名は本人申し出で変更できる、二郎と書けば「じろう」と大抵読まれるが「つぐお」でも好きな読み方で名乗ってよい、変えると当分はいちいち面倒だが;

ご覧いただき、ありがとうございました。
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category: 落語

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コメント

こんばんは。

michaelさん、こんばんは。

米朝師匠の方を観てみました。良い話、良い落語ですね!世の中、だんだん世知辛く、息苦しくなっているので、話の中だけでも正直者が救われるとホッとします。ご紹介、ありがとうございました。

ばけぺん #- | URL
2019/06/24 21:32 | edit

ばけぺんさん こんにちは

落語の世界には、人の温情が当たり前のようにあっていいですね、
現代でも知らない人がさりげなく手助けをして、だまって去って行く場面がありますが、そういうときほっこりします、また良い話を見つけていきたいです。

michael #xNtCea2Y | URL
2019/06/25 10:17 | edit

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