Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

O.スウィトナー:ベートーヴェン交響曲「運命」  

スウィトナーは昔からN響番組でその指揮姿はお馴染みでした、がTVのスピーカーからではそのサウンドの特徴というのは聴き取れませんでした。DENONの優れた録音が出るようになり、ようやく他の指揮者にはない魅力がわかるようになりました。スウィトナーはドイツの伝統を引き継ぐ指揮者ですが、どんな作品も"美しい管弦楽″とすることが大前提のように演奏します。近年のピリオド系のオケを聴いたあとでも、すんなり耳に入ってくる晴朗な演奏、各々の楽器が余裕をもって鳴る範囲でバランスを取り、その中で音楽表現をする。

sui be 5

第一楽章、開始の動機からスウィトナーらしい清潔音でフェルマータを控えすんなりと行きます。弦群と木管群の対等なバランス、よく溶け合いながら木管も余裕をもって歌います。弦は涼しげでも、そっけないわけじゃない、味わい深い歌いっぷりです。vl群が強烈じゃない分、コントラバスやtimpの繰り出す量感が効いてピラミッド・バランスの響きが良く、ブラスも爽やか、timpも品のある明確な鳴りで引き締め、心地よい。インテンポでニュートラルな演奏、何度でも味わおうという気になります。
第二楽章、美しい弦と木管の歌い継ぎ、爽快なブラス、申し分なし、第一楽章とエネルギー感は変わらないほどの表現。ブラスのファンファーレに伴うtimpが連打の最後のくくり音をぴたっと決めているのが印象的。
第三楽章、低弦と木管のテーマの後のホルンが美しい、思い切り弱音表現がなされ、クレシェンドは抑えて抑えて、最後で盛り上げる。コントラバスのパッセージに始まり高音部へと対位法的に引き継ぐところ、コントラバスはさすがに深々した魅力を聴かせ、涼しげな高音へと移る。ピチカート部分から最後まではとても弱音、しかしDENON,PCM録音はここでも見事に音場の広がりを聴かせる。
終楽章、期待どおりの見事なブラス音で始まり、総奏の中でも木管の動きがくっきり聴こえる。どっしり決めるところは決め、弱音でも聴かせるべきパートを浮かび上がらせるバランスコントロール、神経の細やかさを感じさせます。一方でアンサンブルがぴたっと揃わない不器用そうな部分もあり、そこは人間らしい味わいに感じるんですね。終結部、あまりの熱血演奏には疲れますが、スウィトナーは適度に加速し、踏ん張るような力みなく、さらりと終わります。
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