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Micha: Classic音楽・Lute・宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

K.331「トルコ行進曲」の前打音  

モーツァルトのpfソナタ イ長調 K.331は始めの変奏曲が好きだが、終曲のトルコ行進曲が最もお馴染みである、この終曲には2種類の楽譜が出回っている、なお、このソナタの自筆譜は断片しか残っておらず、終曲は失われている。
sc C
現在も譜例Aのような演奏が多く、表情記号はたぶん後に加えられたもので古い出版譜だろう、テンポもアレグロの速さで流麗に弾くのが好まれるようだ、
k331 01 you
you tube:Mozart - Rondo Alla Turca (Marnie Laird, piano)
正直、このタイプの演奏は聴き飽きた;
譜例Bは当時の出版譜に従っていると思われる、始まり部分で言うとBの最初は小さい16分音符の前打音で書いてある、ここで今の一般的楽典から、
appoggiatura_20190707104537e6d.jpg
長前打音①と見なすと次の音価と長さを2分し合うことになり、事実上譜例Aのように弾くことになる、よってAは実用譜であるとされる、では何故、Bのような書き方がされたのかというと、イ短調の曲で、頭の音はシで非和声音、次のラが主音であり、和声的に適切な表記だから、ということらしい。
しかし、昔も今も楽典だの記譜法はきちんと共通とは限らない、短前打音③には斜線を付けることになっているが、いちいち書かなかったかもしれない、斜線がなくても短前打音のように短く弾く奏者もいる。
当時流行したトルコ風の音楽を考えてみると、太鼓やシンバルを打ち鳴らし行進する勇壮で武骨な感じを楽しんでいたと思う、長前打音①にしてしまうと一拍目の踏み込みが弱く、行進曲らしさが半減する、テンポも指示どおりアレグレットならびしっときまる行進になるが、アレグロでは小忙しい、
短前打音③で演奏した例を2つ挙げる、
k331 02 you
you tube:W. A. Mozart Sonata No. 11 "Turkish Rondo" in A major, K. 331
弱音基調で耳心地よく集中させる、
もう一つはクラヴィコードでの演奏、
k331 03 you
you tube:W.A.Mozart :: Rondo Alla Turca (Turkish March) KV 331 :: Wim Winters, Clavichord
この音量でもちゃんと太鼓とシンバルがイメージできる、鍵を押えている間しか鳴らないがそれが歯切れ良く聴ける。
どう演奏するかは、奏者の判断,責任になる、聴き手の好みも含めて;
ただ教わったとおり皆と同じように弾くだけ、は今更聴く気はしないが、探究心を持った演奏には興味が湧く、正しいか誤りかは別として。
*) なお、装飾音の入れ始めを拍の前に前倒しする例もあるが、バロックではそれは行なわない、必ず拍の頭に来てからである。

追記:元祖、オスマン トルコ軍楽
Ceddin Deden
you tube:ジェッディン・デデン(Ceddin Deden)

ご覧いただき、ありがとうございました。
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category: W.A.モーツァルト

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コメント

こんばんは。

長年のなぞの答えを知ることができました。
(真剣に答えを求めていたわけではありませんが,笑)
ふつうの譜割でいいのに,なぜわざわざ装飾音として表記しているのかがわかりませんでした。和声との整合性の問題だったんですね。これも一つの美学なんでしょうね。
いくつかの例外(とくに下から入る倚音は長蛇音として表記されることはないようです)も思い浮かびますが,だいたいこれで理解できました。ありがとうございました。

リキ #KLtzAfy. | URL
2019/07/07 19:30 | edit

リキさん こんにちは

バロック、古典と昔の演奏とその記譜法が今の標準と同じとは限らないので、結局それぞれの古い資料、文献を調べて研究するしかないようですね、
古典文学の解読、あるいは探偵が証拠物件から真実を探るみたいな事を熱心な人はやっているようです、偉い専門家が気付かなかった事実をアマチュアが発見することも実際あるようで^^;

michael #xNtCea2Y | URL
2019/07/08 15:52 | edit

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