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「いて座A*」が最大の増光  

「いて座A*」といえば天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホールの名で知られる、
いて座A*の位置は通常は真っ暗であるが、そこを中心にいくつもの恒星が楕円軌道で廻っている様子が撮影されて以来、理論上のものだったBHの存在が確実視できるようになった、 
20180806.jpg
you tube:Stars orbiting the black hole at the heart of the Milky Way
約10年間の撮像をコマ送りしたもの、画面の中央付近で急旋回する恒星は"SO2(又はS2)"と名付けられ、BHに最も接近する軌道にある、
いて座A*の周囲では恒星が惑星みたいに廻っている、SO2の軌道は海王星軌道の4倍以上だが、わずか15.9年で一周する凄い場所だ。
ite a 02
いて座A*周りの恒星軌道シミュレーション(ESO)
you tube:Simulation of the orbits of stars around the black hole at the centre of the Milky Way

そして今年4月、記事に書いたように、
EHT:ブラックホールの「実写」に成功!
の運びとなった、ただしこのBHはM87銀河の中心にある超大質量BHである。

9月17日発表の報道によると、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のTuan Do氏らは今年4月~5月、いて座A*を近赤外線で観測したところ、極めて大きな変光を3回とらえた、2時間で75倍の激しい変光があった、(確実に何かがある証拠)
ite A
you tube:Our galaxy’s black hole is getting hungrier
5月13日に観測したいて座A*の変光の動画、中央にいて座A*があり、そのすぐ左上にある星がSO2、観測開始時にはいて座A*はSO2より明るかったが、2時間ほどで急速に減光した、
いて座A*がこれほど明るくなった観測記録は今までになく、今回は接近したガスや塵が引き込まれ、その際の強烈な摩擦で生じた光で増光を起こしたと考えられるが、先述の恒星SO2が2018年夏に最接近した際、大量のガスが引き寄せられ、それが今年になって呑み込まれた、という可能性もある、
Andrea_Ghez_black_hole.jpg
超大質量BH いて座A*(時空の歪みで表現)と最接近で急速に廻る恒星 SO2のイラスト
SO2は2018年にいて座A*に最接近したが、いて座A*に飲み込まれてはいない、しかし、この接近がいて座A*の増光の一因かもしれない、あるいは「G天体」と呼ばれる正体不明の天体も呑み込まれた候補になっている。

さて、このように天の川銀河中心部(距離 2万8000光年)の天体の動きを観測するには極めて高い分解能(解像度)が必要だが、地上ではいかに大型望遠鏡を作っても大気の揺らぎが解像度を下げてしまう、
近年、威力を発揮しているのが「補償光学」という技術で過去に概略を記事にした、
tmt02_20161204081235573_20190923103448056.jpg
過去記事:補償光学
さらに補償光学の技術が実用化される前に撮影された解像度の低い画像データも「スペックルホログラフィー」という視力アップの手法を使うことによって、画質を改善できるそうで、いて座A*の撮像記録が過去24年に遡って確かめられ、その間にも今回のような増光はなかったことが明らかになった。
SO2の公転周期は15.9年なので、過去の最接近の際は増光はなかったということか、いずれにせよ、2万8000年前の出来事だが。

ご覧いただき、ありがとうございました。
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