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クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

アーノンクール:Haydn オラトリオ「天地創造」  

大作曲家の歴史との関わりも興味深い、クラシックの名作には逸話が伴った曲があり、それらしい話だが、後世の勝手な創作と判明したものが多く、出来過ぎた話はいかにも眉唾だが、そっとしておきたい話もある、 
ハイドンの時代は決して大昔ではない、科学史的にもI.ニュートンはハイドンが生まれる前の人であり、「光の速度」もJ.ブラッドリーの天体を利用した測定で正確にわかっていた、機械技術も進み、身の回り品では懐中時計も作られていた、同時代のウィリアム・ハーシェルが天王星を発見し、銀河系のおよその形も掴んでいた、ハーシェルは天文学に専念するようになったが本来は音楽家でクラリネットも演奏した。
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ウィリアム・ハーシェル(1738-1822)とニュートン式反射望遠鏡、経緯台で現代の大型望遠鏡と同じである、
ハイドンがロンドンを訪れた際、ハーシェルに会ったかどうかだが、ハイドンが訪問したところ、ハーシェルは不在だったという記録があるらしい、訪問が事実なら少なくともハーシェルから何かを得たい意志はあったといえる、
因みにアーノンクールの解説文の中には「ハイドンはハーシェルの天文台で、圧倒的な宇宙に畏敬の念を抱いた」・・云々の記述がある、
ウィーンに戻ったハイドンはJ.P.ザロモンの依頼でオラトリオ「天地創造」を作曲する、
ストーリーは旧約聖書の「創世記」とJ.ミルトンの「失楽園」を元にしているが、序曲に当たる「混沌の描写」は傑作で、聖書に基づく神話的イメージだけで書けるだろうか、
当時最新の科学に基づく世界観が反映している気もする、そう思って聴くのも一興、
S.ホーキング博士によると宇宙が誕生する前は"無の世界で時間も存在しなかった"、時間すらなければ神が何かを成すことも出来ない。それでも全てを超越する神が時間も無い混沌から、形ある世界を創ったという前提になる、
ロンドン交響曲では限定的だったクラリネットがここでは効果的によく活躍する、二管編成にflを1本追加(3本)、コントラfagを加えたオーケストレーションもひじょうに楽しませる。
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さて、アーノンクールの演奏、「混沌の描写」は無から何かが生まれそうで生れない揺らぎを思わせる、こうした場面の描写、また歌唱部分の言葉のアクセントへの同調、同じ旋律でも当てはめられた言葉に応じ、強弱法や速度も変える、修辞的演奏に徹し、息をのむ間と強弱の対比・・神経を込めた演奏で進める。
第1部では第4曲、ガブリエル(sop&合唱)の「喜ばしき天使の群れは・・」が、orchが力強くもレガートに寄り添う、第12曲、ウリエル(tenor)のレチタティーヴォ「今や輝きに満ちて・・」はorchの前奏と描写の間奏も置かれる、神と天体への畏敬の念が込められたようだ。第13曲、合唱「もろもろの天は神の栄光を・・」は重厚に閉じる。
第2部は生命が創造される、第15曲、ガブリエル(sop)のアリア「力強い翼をひろげて・・」は鳥類の誕生、躍動感に満ち、木管による描写が楽しませる。続く第16曲、ラファエル(bass)のレチタティーヴォ「神は大きな鯨と・・」ではコントラバスが唸るような効果をあげる。第21曲、ラファエル(bass)のレチタティーヴォ「大地はただちにその胎を開き・・」は特に描写が見事で音の絵画だ。続く第22曲、ラファエル(bass)のアリア「今や天は光にあふれた輝き・・」も同様、第二部の最後、第26~28曲、独唱部を間に置く合唱「大いなる御業は成りぬ」はハレルヤで見事に歓喜を歌い上げる、アーノンクールは堂々たる構えでしなやかさを持たせ、耳心地のよい量感。
第3部は人間の誕生、第29曲、ウリエルのレチタティーヴォに木管が活躍する前奏および間奏があり美しい。以下アダムとイヴの独唱、二重唱など合唱を伴って綴られる、終曲の第34曲、第二部の終曲と同様、ヘンデルのオラトリオに触発された見事なアーメン合唱で終わる。

「天地創造」は多くの動画が挙っているが、当盤アーノンクールと、アダム・フィッシャーのライヴを代表で、
N H Creation you
you tube:Haydn: Die Schopfung - Harnoncourt/CMW(2010Live)
A F Creation you
you tube:Haydn - The Creation / Die Schöpfung (with Annette Dasch & Thomas Quasthoff)

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category: F.J.ハイドン

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