Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

クイケン:モーツァルト弦楽五重奏曲第6番  

弦楽四重奏の集約された充実感も良いが五重奏はヴィオラ一つ増えただけでプラス1以上の表現のゆとりが出てきます。ほんとうに1本増えただけに思えないですね。2つの楽器がソロを弾き、残りが伴奏を弾くと二重協奏曲のようでもあり、シンフォニックな響きもあり、多様化してきます。四重奏ではいささか苦心して傑作を書いたモーツァルトですが、五重奏は別分野の得意とする楽曲のようです。ザルツブルグ時代すでに異例ともいえる大曲第1番(K.174)を書いていますが、これからして素晴らしい。
最後に書いた五重奏曲第6番(K.614)は全楽章長調で晩年の苦境など関係ないような、健康的で明るい曲想、四重奏曲「狩」でも見せたハイドン風の趣味が一貫しています。演奏時間も6曲中最も短く、圧縮された充実感です。完成された大がかりな器楽曲として、これが最後の作品というのも少々驚きです、遊び心もいっぱいで。
クイケン四重奏団&寺神戸亮(va)の演奏で聴きました。
1999年録音 DENON スイス、ラ・ショード・フォン、ムジカ・テアトル

mo quin 6

第一楽章、装飾を含んだ軽やかでリズミカルな第一主題動機が印象的、これが楽章を支配します。第二主題も同質でリズミカル。展開部もじつに聴きごたえあり、弱奏による掛け合いも第一主題動機の装飾入りリズムの印象が効いて心地よい。終結部ではハイドン交響曲「熊」の終楽章を思わせる"唸り声"が入り面白い。
第二楽章、ロンド風、アイネ・クライネ・ナハトムジーク第二楽章のテーマをちょっと素朴に変えるとハイドン風?安らかでよいテーマです。ロンド主題が繰り返されると1st:vlほか各パートが交替で変奏的なオブリガートを乗せていくのが美しい。終盤では思い切った短二度の不協和を聴かせ驚く。
メヌエットはのびのびした雰囲気ながら、ポリフォニックな手法が凝っていて声部の重なりが味わい深い、トリオはまさに長閑。
終楽章、ロンド風、メヌエット主題と同系のテーマが快調軽やかでいかにもハイドン的、フーガの書法を駆使した部分が圧巻、見事です。他にも多様な手法が凝らされていて、これが5:39の中に圧縮されていて、惚れ惚れする楽章です。

クイケン・クヮルテットに寺神戸亮がヴィオラで加わり、きわめてキメ細かな美音に強弱幅を大きくとった演奏、V.クイケンのチェロの低域が豊かに響き、懐深いバランスで味わえます。
関連記事

category: モーツァルト

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/256-6d2ab258
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック