スウィトナー:Dvořák Sym No.8 (更新) 
2020/04/06 Mon. 10:23 [edit]
D.シャルプラッテンの録音だが、これぞHiFiと言える好録音、音場に奥行きがあり、各楽器の発する音のエネルギー差(低音ほどエネルギーが高い)に実在感がある、低域に深みがあり、高域(vn群)は常に力を抜き清涼、ブラスは厚みを帯びて押し出す。

オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン
1977年、ベルリン キリスト教会
第1楽章、滑らかに情感深い強弱で開始、この歌い出しを大事にしているようだ、主部はひじょうに快速で活気を持った演奏、先に述べたとおりのサウンドが心地よい、展開部は見事だが、このブラスがテーマを力強く奏で、弦が半音階で上下するクライマックスが圧巻、

ここでも耳に爽快な演奏だ、終結はキレたように加速し熱気あふれる。
第2楽章はドラマティックな構成、弦楽による始まりは涼やかな風、鳥が鳴く森、湧き出る泉、大渓谷?・・何かいろいろ情景が浮かんで楽しませる楽章、vnソロが一際美しい、スウィトナーは聴力検査ギリギリのpppまで使い、ffで突然ステージが変わったような劇的スケールで聴かせ、奥行きや色彩感も豊かである。
第3楽章、スウィトナーはゆったりと、いかにも優雅なワルツ風に聴かせる、

弦の一弓のデュナーミクにも気品を持たせる、サヴァリッシュのきりっとした演奏も良かったが、こちらもまたハマる、
このfzでの量感の入れ方も絶妙で期待どおり、

弦楽の爽快さと、obソロを助奏するvcが味わい深い。
終楽章はわりと落ち着いたテンポ、trpの澄んだ響きで開始、この楽章もppをpppくらいに押えて奥行きを付ける、flソロのバックでtrpが弱奏する、この澄んだ響きも良い、トルコ行進曲風になる変奏でちょっと武骨になった後がスマートに決まる。
スウィトナーのサウンド作りとDvořák Sym No.8はとても相性よく思える。

you tube:スイトナー指揮 ドヴォルザーク 交響曲第8番
*ほか、C.フォン.ドホナーニ、R.クーベリックの演奏も良かったのであらためて。
ご覧いただき、ありがとうございました。
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category: ドヴォルザーク
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コメント
こんにちは
いつも大変お世話になっております。
素敵な記事を毎日楽しみにいたそしてます。
スウィトナーさんという、私の世代では知る事のなかった、それも演奏がとても素晴らしい指揮者をお教え頂きましてありがとうございます。
コロナの影響で、主人の実家で助け合いながらの閉じ籠り生活が続いています。
家事などで忙しくしていますが、どうにか早い終息を願いながら一日のひと時を音楽で開放感を味わっています。
父母たちが子供と遊んでくれるのが、こんなに助かるとは・・。
よしな #- | URL
2020/04/06 14:19 | edit
よしなさん こんばんは
スウィトナー氏を知ったのはTVも一部は白黒放送だった頃でした、TVの音声ではよくわかりませんでしたが、良い録音物が出るようになって、演奏の特質が聴けるようになりました。
うちも思い出すと、子供が幼少~小学生の頃が一番楽しい時期でした、
コロナ終息まで、皆さまご注意のうえ無事お過ごしになりますよう。
michael #xNtCea2Y | URL
2020/04/06 20:30 | edit
日本が生み出した文化遺産
あまり取り上げられませんが、これは数あるドヴォ8の中でも指折りの盤だと信じています。
スウィトナーがNHK交響楽団の名誉指揮者になったことは彼の人生でも意味を持ちました。ベートーヴェン、シューベルト、ドヴォルザーク、ブラームス、どれもがスウィトナーの実力に感銘した日本からの要請で全集録音されたものだからです。
yositaka #pAfneXZY | URL
2020/04/06 22:59 | edit
yositakaさん こんばんは
>指折りの盤
あらためて聴いて本当にそう思いました、
スウィトナーの録音はあちこちのレーベルから入ってきましたが、原盤はD.Schallplattenで以前から秀逸、その後はDENONと技術協力して、最高クラスの録音で残されたのも幸いです。
DvořákはNo.7~9のみですが、他のSym全集は小まめに全部集めました。
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