ドホナーニ:Brahms Sym No.4 (2007) 
2020/04/26 Sun. 11:14 [edit]
2007年のライヴ録音だが、とても良好で生っぽい覇気も伝わってくる、

クルストフ・フォン・ドホナーニ指揮
フィルハーモニアO 2007年
第1楽章、やや速めで粘らずにさらっと入る印象だが、弦の立ち上げなどしなやかな物腰で進める、orchで奏でる室内楽、とも言える感覚、第1楽章では金管やtimpが豪快に鳴る所は少なく、弦の渋い響きで進められ、このへんはドヴォルザークと対称的、展開部のあとにエネルギーを投入してくる、じりじりとクライマックスへ運ばれるが、ここは整然と進めていく、
第2楽章、hornが結構鋭い響きで始める、木管で特にclが味わい深い、[88]から、弦は低域を使い、なおかつ多声に分けた深い響き、耳だけでは分離できない;

ドホナーニは一際渋く濃厚サウンドに仕上げる、
第3楽章、スケルツォは踏み込み鋭く、エネルギッシュな演奏、トライアングルを伴う金管がきらびやかである、
終楽章、この楽章は大きく見れば三部の劇的構成でロマン派的だが、バロックのパッサカリアの真髄も復活させているのが魅力、終結は勝利解決でもなければ、眠りに着くわけでもない、エンドレスな叫びで終わる。ドホナーニは比較的、快速に始める、中間部は穏やかに進め、[132]からのffを爆発的に聴かせる、
*その前の[128]でflソロが名残を惜しむかのようなrit.を奏でる。

ここから終結に向けては劇的なテンポ設定で運ぶ。

you tube:Symphony No. 4:
i. Allegro non troppo ii. Andante moderato
iii. Scherzo vi. Finale: Passacaglia
これでクリーヴランドOの方も楽しみとなった。
ご覧いただき、ありがとうございました。
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category: ブラームス
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コメント
こんばんは。
ブラ4もいいですね~。これは,大学4年生でやった思い出の曲です。
終楽章の譜例,短調にもどって4小節目のアウフタクトからVnとVlaがffで入ってくるところはいつ聞いてもぞわっとします。ここからぐいぐいと音楽が進んでいき,興奮が高まっていくのがたまりません。
そして,譜例には入っていませんが,ワタクシが担当していたflは短調に入る直前の小節が聞かせどころ。そこまでの中間部を懐かしんで,後ろ髪を引かれるような雰囲気を出したくて,何度も練習しました。最後のdisの音を少し高めに吹くのがこだわりでした。
ブラームスは,地味に聞こえますが,随所に秘められた美しさがすばらしいと思います。ドホナーニの演奏もいいですね。
リキ #mQop/nM. | URL
2020/04/26 20:25 | edit
リキさん こんばんは
ありがとうございます、
いつも演奏者の視点からコメントいただき、大変興味深いです。
[128]のrit.がかかるflソロですね、そこを入れた楽譜に差し替えました^^
奏者にとっては拘りの聴かせどころですね、dim.で消え入り、そのあと、
休符の沈黙が引き付けてたまりませんv
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