Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

O.ダントーネ:バッハ チェンバロ協奏曲  

こいつぁあ、春から・・っていうか、今年に入って届いたCDがいずれもハズレ無しで縁起がいい、2013年お気に入り盤にさっそく入るでしょうv
バッハのチェンバロ協奏曲の新盤がそろそろ欲しいと思い、選んだのがオッターヴィオ・ダントーネ:指揮&チェンバロ、アカデミア・ビザンチーナです。古楽演奏も時を経るごとに洗練され、不可欠な現代奏法の一つと言えますね。
イタリアの古楽集団、ダントーネのチェンバロにアカデミア・ビザンチーナの弦楽は各パート1人ずつ、音量バランスがいいという要素以上に、各パートがソロということで、バックが細やかな表情を聴かせるところが魅力です。長い一音の中の美しい強弱表現、クッキリしたアタックなど。

bach cem con dan
チェンバロ協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1053
チェンバロ協奏曲 第4番 イ長調 BWV1055
チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV1056
チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1052
録音:オワゾリール、2007年3月31日-4月4日 ラヴェンナ 

1曲目の第2番 ホ長調はvlかその他の旋律楽器の為の協奏曲が原曲らしく、気品のある比較的長大な力作です。
第一楽章は速度指定なしで、ダントーネはあまり急ぐテンポは取らず、じっくり歩を進める快活さがこの楽章にふさわしく感じます。ダントーネは即興的妙技は控えめで堅実に弾き進め、バックと一体となって活き活きとした演奏に仕立てます。
第二楽章、シチリアーノは簡潔な美しさだけでなく、力作らしい深みを持っています。弦の撫でやかな演奏による和声も美しい。
第三楽章、アレグロは切れ味よいリズムで快活に、しなやかな気品も表現します。

2曲目BWV1055はオーボエ・ダモーレが原曲、3曲目BWV1056はvlが原曲、これらの急楽章は速めのテンポを取っていますが、それぞれ楽章が活きてくる感じです。

お目当ての4曲目第1番 ニ短調 BWV1052ですが、甘ったるさのない鉄光りのような曲相がじつにいい、古い演奏のカール・リヒターも独自の魅力ですが、ダントーネはこれまでにない魅力が聴けます。
第一楽章、快速ですが聴きなれないほどではなく、心地よい。ユニゾンの確固たるテーマで始まり、整然と弾き進むチェンバロにバックの弦が繊細しなやかな響きを奏で、ときに切れ味よく主張し重ねます。原曲はvlですが、同音異弦や近接音を交互に連続して弾くところなど、vl的な書法が鍵盤的にあえて変更されていないところが引き付けます、表紙写真はまさにそこを演奏している場面ではないでしょうか、二段鍵盤を使わず同鍵上で弾いているようで、このほうが切迫感がでます。楽章中の音楽性を漏らさず引き出そうという姿勢を感じます。
第二楽章、ここも瞑想的なテーマをユニゾンで開始、同音が2音づつ続きますが、1拍目と2拍目をほとんど繋いだようなレガートで2拍目は余韻のように奏でます(チェンバロは同音の2拍目を弾きません)、旋律の表情に応じくっきり区切るところもあり絶妙な表現です、これだけで脱帽、テーマは低弦が同じ表現で転調しながらも繰り返し演奏し、上手いアゴーギグのチェンバロと弦のしなやかな和声が乗っかります。これほど第二楽章を魅力に聴いたのは始めてです。
第三楽章、心地よく快速、切迫感を持たせながらも弦の余韻の響きも聴かせる品の良さ。この楽章にはチェンバロが厚く和音を弾くクライマックスがありますね、ここをずっしり聴かせるアゴーギグも流石、ダントーネはツボを押さえ、弦のはっとするような表現も見事です。
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category: J.S.バッハ

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