Micha クラシックとリュートの楽しみ

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Concerto Koln:J.M.クラウス 交響曲変ホ長調  

今日は久しぶりにコンチェルト・ケルンによるヨゼフ・マルティン・クラウス(1752~1792)の交響曲集を聴き返してみました。
モーツァルトやクラウスが他界した30歳代半ばという年齢は、ハイドンが疾風怒涛期に入り、まさにこれから傑作群を次々生み出していく頃です。クラウスにしてみても、これから大成しようという時に亡くなってしまったんでしょうね。ハイドンがモーツァルトに匹敵する天分を認めたと伝わるだけに惜しいです。

kraus co ko

交響曲 変ホ長調(1783)VB144
クラウスは短調交響曲が魅力ですが内容的にはこの変ホ長調が最も充実した曲かもしれません。
第一楽章、アレグロ、序奏を置かず、確固とした動機で始まります。ベートーヴェンで言えば「英雄」に相当しそうな颯爽とした推進力を持ちます。コンチェルト・ケルンは弦や木管のしなやかな旋律線も聴かせながら、バスのリズムや内声弦のトレモロをキビキビ切れ味よく引き締めます。第二主題は穏やかでゆったりフルートが入り気分を和らげる。提示部の終わりは明るく高揚させます。短調の展開部の入りで弦楽の一音がぐいっと引き付けますが、コンチェルト・ケルンの響きがじつにいい、緊張の始まり、第一主題後半を用いぐいぐい行きます、展開部後半は第二主題で明るく。再現部は今までを回想する感じにまとめますが終結部の高揚感がまたいい。
第二楽章、ラルゲット、短調の悲歌的な主題がコンチェルト・ケルンの涼やかな弦で始まる、オーボエが加わり繰り返す、一度聴いたら忘れない普遍的な名旋律だと思います。中間部は長調主題に変わり、オーボエが取りますが、これも表情が美しい。また始めの短調に戻る三部形式。
第三楽章、アレグロ、この楽章が優れもので、弦による凝った対位法で始まる、やがてトゥッティの快調な部分に入る、このあたりが第一主題群でしょうか、やや構成は複雑に思います。快活な推進力で進め、コンチェルト・ケルンはキレ抜群、提示部を反復します。展開部の入りも緊迫感があり、そのまま突き進む、やがて冒頭の対位法をちょっと再現するが引きずらずトゥッティが切り込む、そしてまた対位法をこんどは複雑、念入りに聴かせる、ここは見事。再現部に当たりそうな部分も聴きどころをいれて、スパっと終結する。

なお同盤に入っている交響曲ハ短調(1783)VB142も名演、これはクラウスがハイドンに献呈した作品で、嬰ハ短調(1782)VB140からの改作だそうですが、第一楽章は原曲よりだいぶメロディックで柔和な主題になっているため、演奏によっては緊迫感が削がれるところ、コンチェルト・ケルンはバスのリズムや内声弦のトレモロを鋭くきめて緊迫感を出します。

ハイドンの初期~中期の交響曲をじっくり味わえれば、これらクラウスの作品もきっと聴きごたえあるでしょう。クラウスはvan ワースのような人に最高の演奏で録ってほしいなあ・・

参考:Symphony in E flat major VB 144
P.スンドクヴィスト、スウェーデン室内O
1st:Allegro
2nd:Larghetto
3rd:Allegro
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category: J.M.クラウス

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