FC2ブログ

Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

S.ラトル:ハイドン交響曲86番  

このところ、以前に取り上げた音盤の聴き返しもしています。
思えばラトル、バーミンガム市響の86番についても演奏については詳しく書いていませんでした。このCDは十数年前にアメリカのアウトレット・ショップから取り寄せて、粗雑にしまいこんでありました。86番に目覚めた?音盤でもあり、標準的な秀演と思いこんでいましたが、トップ・クラスの名盤に浮上しました。演奏は先日の22番「哲学者」であらためて気付いた美質で聴かれます。
弦の最弱音は"極薄の絹地"の感覚で、強奏になるに従って絹地を何層も重ねていくような響き、あくまでしなやかでゴワつく響きは聴かせない、強弱表現は曲線的にデリケートに起伏をつけながらも、ここぞの所でズバっと段差を付けたり、スパっと音を切ったり、曲の推移、オケ・バランスの捕らえ方が極めてセンス良い。優れた音響デザイナーのように曲を仕立てていきます。合奏の上手さがあまり前に立って聴こえると嫌味にも感じますが、そういうところもなく自然で、上手さは空気のような存在です。

hay 22 rattle
ハイドン 交響曲第22番「哲学者」、102番、86番
サイモン・ラトル指揮 バーミンガム市交響楽団


テンポは全楽章、最も自然なところでピシっと決めています。
第一楽章、序奏は木管をよく聴かせながら弦はしなやかに始め、弦のppに入るとぐっと弱美音にして引き付けます、その後のトゥッティがほどほどの音量ながら壮大に響きます。主部の入りも弱音に押えて、トゥッティとの対比を大きく聴かせます。強奏が続くところも上手く起伏をつけて一本調子にしません。金管とtimpもピタっと決め、重みの付け具合がいい。展開部から再現部にかけても、じつに味わい深い推移を聴かせ、細かく味わえばそれに応える、美しい"入れ子"のような演奏ですが小細工をした感じがせず、ごく自然な仕上がりです。
第二楽章、この楽章はまさにS.ラトルの美質でじっくり聴けます。休符で間を置いては同じ上向音で始める、次は何が出てくるか?と予測できないカプリチオですね。短調の弱美音のところが一段と幻想的で良いし、強奏がずしっと押し寄せる。彫りは深いけど耳心地よい響きで見事にまとめます。
メヌエット、くっきり自然、快活、これ以上やることはないでしょう。トリオをまたしなやかな弱奏で聴かせ、弦の響きが滑らかでオーボエと溶けあい、健康的な喜びにひたらせます。
終楽章、動機の開始はやはり美しい弱奏、快速でも一つずつのフレーズを丁寧に語り、句読点をきちんと付けながら進めていく感じ、また強奏部分は頼もしいくらい景気よく響かせる、もちろん弱奏はぐっと押え、ふたたび怒涛の響き、コントラバスのパッセージも力強くきめ、再現部、終結部はブラスも豪快にして見事な終わり方、終楽章ためにエネルギーが温存してあったような。
関連記事

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/271-d989fe05
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック