Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

カペラ・コロニエンシス:CLASSICAL SYMPHONIES  

ハンス・マルティン・リンデ指揮、カペラ・コロニエンシス(古楽器)によるCLASSICAL SYMPHONIESと題された古典派の演奏される機会の少ないであろう人達の交響曲を集めたアルバムを取り上げます、こういうアルバムは好きですv
カペラ・コロニエンシスはケルン放送局によって1954年に創設された、古楽器オケで、当初のメンバーはDHMにより創設されたコレギウム・アウレウム合奏団とほぼ同一だそうです。このアルバムが録音された80年代中頃のメンバーの写真を見ると古参の年輩奏者と若い奏者が半々くらい、世代交代している様子が伺えます。昨日のコレギウム・アウレウムの演奏から明らかに近年のピリオド奏法、ピュア・サウンドに移行しています。
指揮のハンス・マルティン・リンデはリコーダー及びフルート奏者として古くからお馴染みで、楽器のほかバリトンの声楽家でもあり、指揮もする多芸の持ち主です。かつてはK.リヒターやA.ヴェンツィンガーらと共演していたH.M.リンデの演奏指向も時代に則した変貌がありますが、同じリコーダー奏者のF.ブリュッヘンの指揮とは対極的とも言えますね。ブリュッヘンに限らず近年の多くの古楽演奏の主流とは違い、リンデは急楽章で急速なテンポは取らず、また鋭い表現は避け、旋律の表情を丁寧に聴かせます、一瞬のことで聴き取れなかった装飾的な走句も丁寧にはっきり聴かせ、こういう曲だったのかとよく解ります。

gossec etc

フランソワ=ジョセフ・ゴセック(1734~1829)
交響曲変ロ長調 op6-6

名前はよく聞く作曲家ですが詳しくは知りません。ベルギー生まれでフランスで活躍した人で、95歳の長い生涯はバロックの終りからロマン派の最初期に渡っています。ゴセックはフランスでハイドンの作品を指揮して、ハイドンを知らしめた一躍もになっているそうです。さてゴセックの交響曲を一曲聞きますが、弦楽のみで5つの楽章からなります。軽快な第一楽章を聴いた印象はG.B.サンマルティーニ、C.W.グルック、J.C.バッハらと同じ系譜を感じます。雅やかな第二楽章に続き短いラルゴの第三楽章が入りますが、続くフーガ形式の第四楽章の前奏のようです。最後は雅びなメヌエットⅠ、Ⅱで終わります。第四楽章の真っ当なフーガは見事で、流石に時代を大跨ぎした作曲家らしいと言えるかもしれません、全楽章フランス趣味でしょうか、気品があり魅力です。

ヨハン・バプティスト・ヴァンハル(1739~1813)
交響曲ト短調

今や有名作曲家ですね、ここで演奏される交響曲ト短調もハイドンらの疾風怒涛とは一味違う、激しさよりも旋律美の味わいが特徴のヴァンハルらしい作品です、リンデの演奏の特質と相性がよく、最も美しいヴァンハルを聴けたという印象です。第二楽章がヴァイオリンとヴィオラの二重協奏曲風になっているのも聴きどころ。メヌエット、終楽章も魅力的です。またこのアルバムの中で唯一バロック的要素のない純古典派的作品です。

アントワーヌ・マオー(1720頃~1785頃)
交響曲ハ短調

この作曲家については情報が見つからずわかりません。
第一楽章はフーガの書法ですが美しく深みがあります、第二楽章はシチリアーノのリズムによる和声の美しい楽章、第三楽章はブーレーのリズム、バロック組曲から三つの楽章を拾いあげたような作品でもありす。

ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756~1792)
交響曲ハ短調VB142

最後は傑作で締めくくります。クラウスの交響曲では最も人気の作品でしょう。
第一楽章、序奏からしてバロック的な対位法で深い魅力を聴かせます、アレグロの主部の演奏もリンデは急速な切迫感より、涼やかな旋律を大事に他の演奏とは異なる魅力を聴かせます。引き付ける力はあり、長い休符の溜めが効きます。弦と木管の撫でやかに溶け合う響きがいい。白夜の地平線から聴こえてくるような心地よくクールな雰囲気でもあります。
第二楽章、アンダンテ、ここも旋律をじっくり聴き進んでいかせる、味わい深い強弱法と弦、管の涼やかな響き、ピアニッシモのところが引き付ける。
第三楽章、もっともエネルギシュな楽章ですが、ここもあまり急速にせず、旋律は丁寧に、リズムを刻むバスをくっきりさせながら、じわじわと高揚感に誘う演奏です。先日のコンチェルト・ケルンとは対極的でしょう。

全曲聴き通して、エネルギー感に欠けるという感じはありません。他の古楽演奏とは違う感覚で充実した演奏を聴き終えた印象で、美しく爽快です。
関連記事

category: 古典派

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/275-2ea51eb3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック