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巻弦の問題点  

リュートの歴史が一旦途絶えた原因は多々あると思うが、最適な弦を何本も揃えるのが難しいのも一因かもしれない。
20世紀、復興後のリュート弦もかつてはギターのナイロン弦や巻弦と同質のものしか普通には手に入らなかった、低音用の巻弦はナイロン繊維の芯線に銅線を隙間なく巻き付けたものだ、楽器に張れば芯線はある程度伸びて巻線に隙間ができる、その隙間が均一なら良いが、偏りがあると振動不良が起こるだろう、 
makigen 02
巻弦:Pyramidはアルミメッキでギター弦と同質、Aquila"D"は樹脂コーティングで倍音を抑えた性質
今はヒストリカルな性質を狙った弦が作られ、巻弦をリュートに使う例は減ってきているようだ?(手を加えて使う例はある)、
cd string 02
Aquila ローデド・ナイルガット

ここで"巻弦"について、
ある太さの芯線と巻線があり、それを隙間なく(あるいは一定の隙間を開けて)巻いていくと、ガット単線径の何mmに相当する弦が出来るか、算出するエクセル表を作った、
(弦を自作する方がいて、その製作結果とほぼ一致した)
wound strings
*この計算例で、1.2mの弦を作ると、巻線の全長は21.5mとかなりの長さになる、
巻線にする銅線は弦専用に作られておらず、電線材など多目的だろう、その太さも段階的に用意される、低音用の巻弦を作るにあたり、徐々に質量の大きい弦を作るには、ある所で巻線と芯線の太さ比率を変えざるをえない、微調整は芯線(ナイロン繊維の束)の太さで行なう、
図は①から順に弦のゲージ(重さ)が大きくなる、
makigen_20201120090644721.jpg
②から③へ移るところで、巻線径が一段上がり、芯線を細くして重さの増え過ぎを調整する、よって③では金属割合が多くなり、音も金属っぽく、順に弾き比べると音質や余韻が不揃いになる、メーカーによってはこの不揃いぶりが目立つ弦もある、また巻線の太さは精密でなく、不均一な部分が使われると振動が悪くなる、

低音は音楽の土台として重要、表現上少しでも有利な弦を張りたい、倍音を抑えればその分、低音にエネルギーが集まった鳴り方になる、また、余韻が短いほど弾弦時の瞬発力が上がるが、各楽器に程よいものを選ぶ、
21世紀でも弦について苦心する状況は変わらず、プロ、アマチュアともに試行錯誤している、
先日の"巻弦のオイル漬け"も金属っぽい音を押える1つの策である、ただし、上述の原因で弦によって余韻の長さにいくらか違いは出る、
11c lute
PS.マブチモーターなど小型のモーターには細い銅線でコイルが巻いてある、銅線同士ショートしないようエナメルの絶縁被覆がしてある、Aquilaの巻弦も一見、裸銅線みたいだが錆びてこないので、同様のコーティングがされていると思われる。

ご覧いただき、ありがとうございました。
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category: Lute

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コメント

またひとつ、

こんにちは、雨降りです。

楽しい計算表ですね。またひとつ知識が増えました。

音楽や楽器の研究は進んでいますが、なぜか弦はまだまだ、ですね。

当時の話しに、
弦を進呈すると大変喜ばれた、楽器の管理に馬1頭分の費用がかかる、楽器の購入費が高い 等々、弦を手に入れる、また維持が大変だったようですが、弦楽器によっても使用する弦の製作地がまちまちだったようですね。

宮廷や貴族の館には楽器の管理者がいましたが、時代の流れによる音楽の大衆化とともに維持費、手間のかかる楽器が消えたのは当然のように思います。

話しがずれますがピアノの弦で、こんな話しがあります。
現在のピアノは1鍵盤に付き、低音側に2弦、中音、高音側に3弦、を張ってあるのですが(ショパンの時代は違います)、話しを要約しますと、「調律が完全にできるわけでは無く、聴いて不愉快な音程、響きにならないように心がけており、また弦の微妙な振幅の違い等が聴いている人に音楽の表現としても聴こえる」というような話をされた方がいます。
ちょうど、ヴァイオリンがビブラートをかけるのと似ていますかね。

昔々のことを思えば、音程や、響き等は、もう少しファジーでも良いかなとも思えます。

ずれた、とりとめのない話し、失礼しました。






老弾 #- | URL
2020/11/20 13:56 | edit

老弾さん こんばんは

昔はリュート1つ弾くのが大変な贅沢だったのですね、最盛期には楽器製作や弦作りの優れた職人も多かったと思いますが、供給が十分あって、やたら面倒な楽器も成り立ったのでしょう。
いまも少数ながら弦メーカーがあるおかげでやれます(笑)

本物から音をサンプリングしたデジタルピアノ(チェンバロ)も弦のクセがそのままコピーされた箇所も一部あって面白いです、完全にピッチが正確で揺らぎもない音は電子音だけでしょう、現実に電子音なみに正確な弦があったら逆に気味悪いでしょうね。

リュートにはガット弦より調弦の安定する新素材の弦を張り、バロックトランペットも昔は無かった音程補正孔を設け音程を正確にした等々、ほかにもありそうですが、これは今の聴衆の求めに応じた"現代古楽器"かと思います。

michael #xNtCea2Y | URL
2020/11/20 20:00 | edit

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