K.ベーム:LPとリマスターCD (更新) 
2020/11/24 Tue. 09:42 [edit]
音楽を演奏する会場というのは重要で、今では日本にも良いホールが出来たが、欧米には名ホールと言われるところが幾つもある、残響音の長さが適度でその音質が良くないといけない、
録音会場として天井の高い教会のドームが使われることも多い、ウィーン・フィルの本拠地、ムジークフェラインザールの残響時間は空席時で3.3秒と結構長い、満席時は約2秒だそうで、空席ならセッション録音には良い響きが得られていると思う、

ムジークフェライン・ザール
K.ベームがここで1971年に録音したベートーヴェン Sym No.6「田園」だが、過去のLP盤を聴くと直接音の割合が多く、やや室内楽的で奥行きがなく、従来のDGらしい音のまとめ方だった、これなりの良さもある。一方、1993年に発売されたリマスターCDでは残響音の割合を増やし、中央付近の管楽器が距離を置いた聞こえ方になり、会場の奥行きが感じられる、各部のマスター音源からバランスを取り直したのだろうか、


左:初期LP、 右:リマスターCD
第2楽章の鳥の描写など、この響きのほうが効果的でorch音楽に相応しい、

なお、このyou tubeにあるベームの「田園」は"Original image bit processing"とあるので、旧盤どおりにバランスを処理したものかと思う、

you tube:Beethoven Symphony No 6(Karl Bohm 1971)
*こちらはリマスター後の音のようだが(アップされた音は少し荒い)第1楽章のみ、

you tube:Karl Böhm: Beethoven - Symphony No. 6 in F major, ‘Allegro ma non troppo’ Op. 68
同じくK.ベームとVPOのJ.シュトラウス:ワルツ集をLPとCDで比べると大幅に広がり感が違う、リマスターCDはDECCAサウンドみたいだが自然でわるくない、


左:初期LP、 右:リマスターCD
*リマスターされた音で「電光と雷鳴」、音響がわかりやすい

you tube:Johann & Josef Strauss - The Blue Danube Album
音がデッド過ぎると不評だったカラヤンの'80年代初期CDもその後同じ傾向にリマスターされたようだ、ベーム,VPO盤ほどの効果はないようだが;
会場のベルリン・フィルハーモニーも響きを良くするため2008年に改修工事が行なわれ、残響時間は空席で2.4秒、満席で2.1秒だそうだが、この録音は改修前になる、

ベルリン・フィルハーモニー
ちなみにサントリーホールの残響時間は空席で2.6秒、満席で2.1秒だそうだ、

サントリーホール
残響の質も大事だが、
ご覧いただき、ありがとうございました。

にほんブログ村
録音会場として天井の高い教会のドームが使われることも多い、ウィーン・フィルの本拠地、ムジークフェラインザールの残響時間は空席時で3.3秒と結構長い、満席時は約2秒だそうで、空席ならセッション録音には良い響きが得られていると思う、

ムジークフェライン・ザール
K.ベームがここで1971年に録音したベートーヴェン Sym No.6「田園」だが、過去のLP盤を聴くと直接音の割合が多く、やや室内楽的で奥行きがなく、従来のDGらしい音のまとめ方だった、これなりの良さもある。一方、1993年に発売されたリマスターCDでは残響音の割合を増やし、中央付近の管楽器が距離を置いた聞こえ方になり、会場の奥行きが感じられる、各部のマスター音源からバランスを取り直したのだろうか、


左:初期LP、 右:リマスターCD
第2楽章の鳥の描写など、この響きのほうが効果的でorch音楽に相応しい、

なお、このyou tubeにあるベームの「田園」は"Original image bit processing"とあるので、旧盤どおりにバランスを処理したものかと思う、

you tube:Beethoven Symphony No 6(Karl Bohm 1971)
*こちらはリマスター後の音のようだが(アップされた音は少し荒い)第1楽章のみ、

you tube:Karl Böhm: Beethoven - Symphony No. 6 in F major, ‘Allegro ma non troppo’ Op. 68
同じくK.ベームとVPOのJ.シュトラウス:ワルツ集をLPとCDで比べると大幅に広がり感が違う、リマスターCDはDECCAサウンドみたいだが自然でわるくない、


左:初期LP、 右:リマスターCD
*リマスターされた音で「電光と雷鳴」、音響がわかりやすい

you tube:Johann & Josef Strauss - The Blue Danube Album
音がデッド過ぎると不評だったカラヤンの'80年代初期CDもその後同じ傾向にリマスターされたようだ、ベーム,VPO盤ほどの効果はないようだが;
会場のベルリン・フィルハーモニーも響きを良くするため2008年に改修工事が行なわれ、残響時間は空席で2.4秒、満席で2.1秒だそうだが、この録音は改修前になる、

ベルリン・フィルハーモニー
ちなみにサントリーホールの残響時間は空席で2.6秒、満席で2.1秒だそうだ、

サントリーホール
残響の質も大事だが、
ご覧いただき、ありがとうございました。
にほんブログ村
category: ロマン派
« 今さら聴けない曲
エンディングのクドい曲 »
コメント
ベームのLPとCDの音質比較、納得です。どちらがマスターに記録された音に近いのかよくわかりませんが。80年代にはじめてCDを聴いたとき、最初は音が固く閉口したものでしたが、発売点数が増えてくると、次第にこなれ、音色感がわかりやすくなり、LPでは伝わりにくかったベームのスタジオ録音の真のよさが感じられるようになりました。
そして、いちどわかると、LPに戻っても、いいのです。今では気分に合わせて聞き分けるという贅沢な楽しさを味わっています。
yositaka #- | URL
2020/11/25 09:23 | edit
yositakaさん こんにちは
じつはベームのJ.シュトラウス、ワルツ集のCDのほうを先に買って、いつものDGとは違うなと意外に思い、あとから中古LPを見つけてわかったという順です、同じ記録音源から異なるマスタリングで聴けるのは面白いですね、
私も最初期のCDの音は耳に刺さるような感じをうけました、過去のアナログ録音をCD化したものも荒さが目立ち聴きづらいのが多かった記憶です。
| h o m e |