ハイドンのユーモア:Sym No.60, 80, 90 
2020/12/01 Tue. 09:56 [edit]
ハイドンの交響曲の番号はのちに付けられたものだが、偶然にも、キリ番になる曲が面白い、
モーツァルトはズバリ「音楽の冗談」という曲を書いているが、ハイドンはどこまで本気で、どこから冗談か明らかにせず、聴き手しだい?ともいえるビミョーな暗示もあるようだ、しかし手が込んでいて音楽的な聴きどころも両立させている、
ハイドンは子供の頃いたずら好きだったような逸話が伝わる、これらの演奏の際も平然として心でほくそ笑んでいたかも^^

60番ハ長調「迂闊者」は6つの楽章を持つ異例の曲だ、
第1楽章の序奏はまともなようだ、主部は快活な主題で始まる、[75]からPerdendosi(消え入るように)という極端な弱奏になり、ffが轟く、

ちょっと普通じゃない雰囲気も漂わせる、展開部以降も凝った書き方で楽しめる、
第2楽章は弦で始まる穏やな主題に陽気な木管が突飛に入る、

全体にも何か奇妙な雰囲気、
第3楽章、メヌエットは始まって間もなく[9]から意表を突いて2重フーガが入る、

トリオには短調の民族音楽風の主題が入ったり、予期しない要素が続く、
第4楽章はPrestoでハ短調なのも意外、展開部では民族風になる、timpが加わり陽気に転じて終わる、
第5楽章、Adagioでは弦の静謐な音楽に突如ファンファーレが入る;
終楽章ではっきり冗談が露わになり、やはりその手の曲とわかる、vn群が迂闊にも?G線がFになっていたのを演奏の中でGに調弦し直すのである、([23]~ 5度で合せる)


you tube:J. Haydn - Hob I:60 - Symphony No. 60 in C major "Il distratto" (Hogwood)
80番ニ短調はまず第一楽章が面白い、ニ短調の第1主題で物々しく始まり、このままシリアスに行きたいところ、木管のおっとりした第2主題(ヘ長調)が流れを変える、展開部は両主題のせめぎ合い、最後には第2主題に主座を奪われて終わる、終楽章にも奇妙な仕掛けがある、

you tube:J. Haydn - Hob I:80 - Symphony No. 80 in D minor (von der Goltz)
90番ハ長調は充実期の作品で好きな曲だが、終楽章にユーモアが置かれる、[167]で終結だと思わせ、4小節全休符を置き、まだ続きがあり本当の終結[241]まで行く、

ライヴでは拍手や笑いが入る、

you tube:Haydn: Symphony No. 90 - Boston Symphony Orchestra/Nelsons (2015)
キリ番といえば、70番、100番「軍隊」もそうだが、70番も異例な特徴を持っており、終楽章は聴力検査の発信音のように始まり、見事なフーガになっている、
you tubeより終楽章:J. Haydn - Hob I:70 - Symphony No. 70 in D major (Hogwood)
100番「軍隊」はお馴染み、派手な鳴り物が異例である。
ご覧いただき、ありがとうございました。

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モーツァルトはズバリ「音楽の冗談」という曲を書いているが、ハイドンはどこまで本気で、どこから冗談か明らかにせず、聴き手しだい?ともいえるビミョーな暗示もあるようだ、しかし手が込んでいて音楽的な聴きどころも両立させている、
ハイドンは子供の頃いたずら好きだったような逸話が伝わる、これらの演奏の際も平然として心でほくそ笑んでいたかも^^

60番ハ長調「迂闊者」は6つの楽章を持つ異例の曲だ、
第1楽章の序奏はまともなようだ、主部は快活な主題で始まる、[75]からPerdendosi(消え入るように)という極端な弱奏になり、ffが轟く、

ちょっと普通じゃない雰囲気も漂わせる、展開部以降も凝った書き方で楽しめる、
第2楽章は弦で始まる穏やな主題に陽気な木管が突飛に入る、

全体にも何か奇妙な雰囲気、
第3楽章、メヌエットは始まって間もなく[9]から意表を突いて2重フーガが入る、

トリオには短調の民族音楽風の主題が入ったり、予期しない要素が続く、
第4楽章はPrestoでハ短調なのも意外、展開部では民族風になる、timpが加わり陽気に転じて終わる、
第5楽章、Adagioでは弦の静謐な音楽に突如ファンファーレが入る;
終楽章ではっきり冗談が露わになり、やはりその手の曲とわかる、vn群が迂闊にも?G線がFになっていたのを演奏の中でGに調弦し直すのである、([23]~ 5度で合せる)


you tube:J. Haydn - Hob I:60 - Symphony No. 60 in C major "Il distratto" (Hogwood)
80番ニ短調はまず第一楽章が面白い、ニ短調の第1主題で物々しく始まり、このままシリアスに行きたいところ、木管のおっとりした第2主題(ヘ長調)が流れを変える、展開部は両主題のせめぎ合い、最後には第2主題に主座を奪われて終わる、終楽章にも奇妙な仕掛けがある、

you tube:J. Haydn - Hob I:80 - Symphony No. 80 in D minor (von der Goltz)
90番ハ長調は充実期の作品で好きな曲だが、終楽章にユーモアが置かれる、[167]で終結だと思わせ、4小節全休符を置き、まだ続きがあり本当の終結[241]まで行く、

ライヴでは拍手や笑いが入る、

you tube:Haydn: Symphony No. 90 - Boston Symphony Orchestra/Nelsons (2015)
キリ番といえば、70番、100番「軍隊」もそうだが、70番も異例な特徴を持っており、終楽章は聴力検査の発信音のように始まり、見事なフーガになっている、
you tubeより終楽章:J. Haydn - Hob I:70 - Symphony No. 70 in D major (Hogwood)
100番「軍隊」はお馴染み、派手な鳴り物が異例である。
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category: F.J.ハイドン
コメント
「うかつもの」はそんなに面白い交響曲でしたか。さらっと聞いていると普通に聞こえるので、ハイドンは油断がなりませんね。今度じっくり聞いて込みたいと思います。譜面は読めませんが、大変刺激になります。うちにあるCDは、鈴木秀美のものです。
yositaka #- | URL
2020/12/03 08:41 | edit
yositakaさん こんにちは
「うかつ者」、リベラ・クラシカの演奏とは楽しみですね、
ハイドンの曲には後の人が付けたいろんなニックネームがありますが、本人は曲中に何かキャラクターやストーリーをイメージして書き、一切秘密にしていたという話も聞きます、
いろいろ仕掛けてあるようですね。
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