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ボッケリーニ:ギター五重奏曲第4番「ファンダンゴ」ほか  

ルイジ・ボッケリーニ(1743~1805)といえば一般にはあの有名な「メヌエット」で名前だけは知られているでしょう、ギター関係者にはギター五重奏曲第4番の終楽章「ファンダンゴ」が有名。しかし「ハイドン夫人」と呼ばれるほど作品は膨大、魅力的で掘り起こし甲斐のある人ですね。イタリアのルッカでチェロ、コントラバス奏者の父の家に生まれ、チェロの名手となり、20代半ばまでヨーロッパ各地で演奏活動、26歳でスペイン王室に招かれ、その後の人生はスペイン王室付きの音楽家として過ごす。作風はそれまで純イタリア的な古典派音楽でしたが、スペインに移ってからはご当地の伝統音楽と古典派様式を高い芸術性で融合させていて、民族楽派の走りとも言われます。チェロの超名人であることから、弦楽器の高い妙技を聴かせる室内楽や協奏曲の傑作が目白押し、交響曲も聴きどころです。 ハイドンのかっちりした様式美に対し、ボッケリーニは特にスペイン時代から様式を自由に崩し、優美な旋律を次々用いて構成する型にはまらない楽しさが魅力です。
手始めにファビオ・ビオンディ率いるエウローパ・ガランテ(古楽器)による室内楽集です、すべてスペイン時代の作品のようです。まさに名手達の演奏、繊細な超弱音から驚くダイナミズム、室内楽ながらシンフォニックでもあります。この2枚組アルバムが655円とは申し訳ないほどの内容。

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CD1
1. 弦楽五重奏曲イ短調作品25の6 G.300
2. 弦楽五重奏曲ハ長調作品25の4 G.298
3. 弦楽五重奏曲ニ短調作品25の1 G.295
4. 弦楽五重奏曲ホ長調作品11の5 G.275~メヌエット
CD2
1. ギター五重奏曲第4番ニ長調 G.448「ファンダンゴ」
2. 弦楽四重奏曲ト短調作品24の6 G.194
3. ギター五重奏曲ハ長調 G.453「マドリードの帰営ラッパ」
 
ビオンディ&エウローパ・ガランテ/ボッケリーニ:室内楽曲集(2CD) Virgin
ファビオ・ビオンディ(ヴァイオリン)
 エンリコ・カサッツァ(ヴァイオリン:CD1)
 ロレンツォ・コリッタ(ヴァイオリン:CD2)
 エルネスト・ブラウケール(ヴィオラ)
 マウリツィオ・ナッデオ(チェロ)
 アントニオ・ファンティヌオリ(チェロ:CD1)
 ジャンジャコモ・ピナルディ(ギター:CD2)
 マウロ・オッコニエロ(カスタネット:CD2-3)


短調作品がいいですね、CD1の1曲目、弦楽五重奏曲イ短調作品25の6から魅了される、第一楽章の叙情たっぷりの小回りな旋律、各パートの隙のない受け答え、流れも良い、情熱もあれば極めて繊細でもある。展開部に相当する部分は深みを帯びる、チェロが弓を弾ませ、弦を連打する奏法で、ギターのラスゲアートを思わせる響きを出す。第二楽章:メヌエット、第三楽章:ラルゴ・カンタービレも優美で少しも退屈させない。終楽章はリズム的妙技を各パートの絡みで聴かせる、まさにラテンの血が生み出す魅力でしょう。CD1でもう一つ魅力なのが弦楽五重奏曲ニ短調作品25の1、第一楽章ラルゲットは第二楽章の序奏のようでもあります、間を置かず第二楽章に入る、これが旋律も優美ならシンコペーションを用いたリズムも快調で魅力満点です。
CD2の最初はいよいよギター五重奏曲第4番ニ長調「ファンダンゴ」です、第一楽章パストラーレで長閑に始まります、ピナルディのギターはバロック期から19世紀タイプの中間のような、ロココ・ギターのような楽器でしょうか、まろやかで楽器本体が心地よく鳴る音です。第二楽章アレグロ・マエストーソも充実している、チェロのハーモニックスが木管が入ったように聴かせる。最後のファンダンゴの魅力はあらためて言うまでもないでしょう、切れ味よいリズムをぴしっと決め、ギター、弦楽ともに繊細な味わいも聴かせ単に楽しい舞曲で終わらせない第一級のファンダンゴです。パーカッションに前半ではタンバリン、後半ではカスタネットが切れ味よく入り、盛り上げますv次に入っている弦楽四重奏曲ト短調作品24の6、これがまた優美快調ですばらしい。

★ところで、これらボッケリーニのスペイン期の室内楽を聴いてすぐピンときたのが、北欧で活躍したヨゼフ・マルティン・クラウスです。クラウスはハイドンやグルック、古くはバッハなどドイツ系を継承しているのも間違いないでしょうが、特に器楽作品でのクラウスらしい旋律趣味はドイツ系の誰とも違ったテイストだと思っていました。叙情的で小回りな旋律やシンコペーションを使ったリズムの快調な運び、最も似ていると思うのはスペイン時代のボッケリーニです。以前取り上げたクラウスのフルート五重奏曲やその他の室内楽、交響曲にもよく似た旋律の語調が聴かれるんです。これは偶然なのか?(にしてはよく似ている)、クラウスはボッケリーニの作品に触れたことがあるのか?互いにヨーロッパ各地を訪れた足跡はあるのですが、最北と最南の両者の接点を示すような情報は今のところ見つかりません。
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