Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

K.ベーム&VPO:ベートーヴェン交響曲6番「田園」  

これも過去に持っていて失くしたLPですが、先日、中古レコード店で再版盤を見つけました。「田園」ってあまり聴かないほうですが、スウィトナーの爽快な演奏が気に入っているくらいでした。久しぶりにベーム&VPO盤を聴いて充実感に浸りました。ベームは標準枠からはみ出る演奏はしない、感情表現も全開にはせず、八分目くらいに控え、見事に整ったあくまで美しい管弦楽を聴かせます。「田園」もそうした意味で取りたてて強い印象はありませんが、何度聴いても価値を失わない味わいです。1971年の録音でアナログ期のDG最高とも言える出来栄え。バランス・エンジニアはG.ヘルマンスですが、カラヤン・サウンドとは違う輝きがあります。

be vpo be6

第一楽章、ここは普通くらいのテンポでしょう、VPOのしなやかな弦は絶品、ウィンナ・オーボエがピンポイントで聴こえ、管群もよいバランスで明確。ピアニッシモをぐっと押えクレシェンドをかけますが、最強音でもvlが爽快、チェロはたっぷりと潤いを聴かせる。
第二楽章、だいぶゆっくりめですが、思い切り安らいだ気分に引き込みます。木管も美しいですが、弦のしみじみ、じわっと歌いだすところがいい。しかしベームは消えかけのような"淡い"表現はしないので弱音にも筋が入っているようです。
第三楽章、ここも落ち着いたテンポ、ホルンの高鳴りとオーボエ、クラリネット、再びホルンと歌い継ぎ、各楽器が透明感を帯びて美しい。コントラバスの導入のあとの饗宴的踊り、結構重厚なサウンドで聴かせますが、爽快なんですね。
第四楽章、嵐の場面も決して狂乱的にならず、整った古典派管弦楽を聴く感じを崩しません。十分な迫力も聴かせながら、ブラスは喧しくなく爽快、timpがぴたりツボを押えて打ち鳴らされ、常にバランスのとれた響き、美しい嵐です。
第五楽章、速い終楽章の緊迫感はありませんが、オーケストラの美質の聴かせどころでもありますね、管の導入のあとの弦のテーマ、息をのむようなvl群の弱音の美しさで始めます。もちろん強奏に入ってもキメの細かい輝きを聴かせます。最後に弦がppでテーマを奏でるところはぐっと弱音にし、夕べの祈りのような雰囲気です。
ゆったりと聴かせているようで、じつは引き締めている演奏と言えましょうか。

PS.同演奏の再版CDも聴いてみたのですが、明らかに音が違います。残響成分が増え、音場に奥行きがでています。オーボエなど管楽器が奥から聴こえてくる感じです、マスター音源のバランスを取り直すとこうなるんでしょうかね、これはこれで良いですし、LP盤のしっとり落ち着いた音質も好きです。
80年代のカラヤン、ベートーヴェンのデジタル録音も最初の頃は音が塊っぽくデッドだと不評でしたが、近年再版されたCDは適度に残響が入り、少し解消されたようです。どちらが良いかは好みですけどね。
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