Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

K.リヒター:バッハ管弦楽組曲  

過去には第2番と第3番のカップリングがグラモフォンから立派な二つ折りジャケットで出ていました。残念ながら失ってしまい、後に復刻CDを買いましたが、どうも音が荒っぽく聴こえる、実際にはCDのほうがマスター音源に近いのでしょうが、私にとってはLP盤の音がベストなのです。嬉しいことに、全曲2枚組のアルヒーフ盤を先日ゲット、盤の状態も良好。
カートリッジはオーディオテクニカAT150MLXを使うとちょっと時代が違うというかエネルギーバランスが合わない感じ、同社AT-DS3にするとガッチリ響き、わるくはないがちょっとキツイ、シュアーME75EDにするとピタリとはまったように相性が良い、あのしっとり味わい深い音がよみがえる。おそらく生演奏でも聴けない音盤芸術の傑作でしょう。

リヒター バッハ01

リヒターのバッハ管弦楽組曲はまさに楷書的演奏ですが、筆の運びはしなやかで正確、といった印象です。端正だが力んではいない。現代とか古楽とかは越えてしまっている絶対演奏というかバッハの音楽の中身を隈なく聴かせてくれる。
第1番、1曲目のフランス風序曲、グラーヴェは音符いっぱい音を引き、荘重にミュンヘン・バッハOの弦はツヤ消しの銀の光沢のようなサウンドを聴かせる、グラーヴェはリピートされ最後の音はアレグロの第1拍目でもあり、短く弾ませ、次のリズムに移行する、一瞬ながらここがいい。フーガのアレグロは落ち着いたテンポで一音ずつ短めにくっきり区切り適度な重みを持たせ全パートを明確に聴かせる、生命があふれ出すようです。
続く各舞曲はリピートの音量をぐっと下げ対比を付ける、バスラインは舞曲のリズムをしっかり聴かせ快調、内声部の旋律の美しさにもあらためて気づく。バッハが各曲に忍ばせた面白い仕掛けをリヒターは読み取り、明確に浮かび上がらせ、月並みと思っていた第1番の舞曲の楽しさに気付く。3曲目ガヴォットでは弦楽が狩のホルンを模倣したような旋律を入れ、曲の本流とは遊離したパートが入ったようで面白い、バッハの他の曲でも見られる書法。
第2番、演奏の大筋は第1番と同じで、オーレル・ニコレのフルートがオケとぴったり一体化し、地味ながら堅実この上ない演奏が見事。
第3番、この録音ではトランペットが甲高いという意見もあり、確かに近年の録音に耳慣れた方にはそうでしょう。ティンパニも武骨なほど生々しく轟きます。が、これがアルヒーフ盤の魅力;序曲のアレグロは大地をしっかり踏みしめたような推進力で他に聴かれない魅力でしょう。2曲目のアリア、数多の演奏の中でもこれほど神懸った深い力の宿るものは他に思い当りません、ミュンヘン・バッハOの緻密な弦の力、内声パートの美しさにも一段と引き付けられます。
第4番、第3番と同じ編成ですが序曲のアレグロはジーグ風のリズムで趣きが変わる、トランペットの入る祝祭的な曲であっても、瞑想的な不思議な味わいも盛り込むところがバッハらしい。内容的には第3番に引けを取らない味わいがあります。終曲のレジュイサンスは上声とバスがカノン的になったり、リズムの重心が二つあるような複雑な面白さで、傑作です。
関連記事

category: J.S.バッハ

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/305-56b1186f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック