Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

K.ユングヘーネル:バッハ&ヴァイス、リュート作品  

このブログを始めてからリュート・ソロの音盤について書くのは初めて!リュート・ブログは名ばかり状態でした;;
録音に聴くリュートの演奏は当初ギタリストの手になるもので始まり、バロック・リュートを最初に聴かせたのはアルヒーフ盤、N.イエペスでバッハの作品でした。イエペスは爪奏法でしたがギターとはまったく肌合いの違う雰囲気を味わえました、6コース以下のバス弦は音階調弦で、すべて開放弦で弾くだけの言わばぶっきら棒な表情なのですが、深淵な魅力でもあります。やがてO.M.ドンボアや当盤のコンラート・ユングヘーネルによる歴史的奏法の録音が出て、バロックリュート本来の深い響きを聴くことができました。

ユングヘーネル
1978年 ベルギー、メルセン、聖ステファヌス教会 ACCENT

ユングヘーネルは生演奏でかなりの音量で鳴らしていたと聞きますが、この録音の凄みからもわかります、内周歪みが出るほど(笑)、よく言われる「癒し系の楽器」などとは程遠い迫力です。後にユングヘーネルはDHMに録音するようになりましたが、私はこのACCENTレーベルの録音が一番に思います。
1面はJ.S.バッハ、BWV1001のアダージョとフーガに始まる、リュートの余韻を聴かせるテンポでじっくりと溜めを置き、ダイナミックな表現、次のBWV997も冒頭ファンタジアの深淵な表現、続くフーガ、サラバンド、ジーグもリズムに適切な間を入れ、単調ではない味わいをつけます。
2面はシルヴィウス・レオポルド・ヴァイス、リュート音楽最後の大家でしょう、バロックリュートを知り尽くした人だけに、活かし切った曲を書いています。二短調の組曲(ソナタ)はヴァイスらしい魅力の代表的な作品、プレリュードはトッカータ的なスリリングな書法で引き付けます。続く舞曲達、ウン・ポコ・アンダンテ、ラ・バディナーシュ、ル・シシリアン、ガヴォット、メヌエット、ジーグ、一部奏者の裁量で単独作品を挿入していますが、それぞれにリズム的魅力が込められ、ヴァイスのイタリア仕込みの旋律の味わいがいいんです。今の日本のムード演歌にも登場しそうな旋律があったりします。そこへ、ぶっきら棒なバス旋律が、クールな雰囲気も重ねます。ユングヘーネルは甘い表現などなく、どっしりとダイナミックに、バロックリュートを轟かせます。使用楽器は当時も今も"リュート青年"なら皆憧れる、ニコ・ファン・デァ・ヴァールス作の名器、出来の良いものはこれ以上望めない豊かな響きで、これも威力を発揮しているでしょう。
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category: リュート作品

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コメント

超お久しぶりのリュートの報、感激です。ゲルヴィッヒ、ユングヘーネル、ドンボア、シェッファーは、偉大な古楽復興の貢献者ですね。そして彼等の偉大な名器二コー、ゲースト等無くして、名盤の録音もありえないでしょう。昔も今も永遠普遍の大家たちであります。

黒豹 #- | URL
2013/03/30 16:44 | edit

黒豹さん こんばんは
本当にニコの楽器を弾かせてもらったときはビビっときました、鳴り切っている、楽器の本質、音楽性を知って作られているなと。近年ようやく、ゲースト直系製作家の楽器を手にして同質の感触が得られました。楽器が意欲をもたらしてくれますね。

michael #xNtCea2Y | URL
2013/03/31 02:07 | edit

二コの楽器を試奏されたとは貴重な経験ですね。国内でもそう存在する代物ではありません。また、オッティガー氏の楽器もすばらしく、まさにゲースト直系の系譜であり、たしかな感触があります。特に、ゲースト系は、ブリッジ端部のきめ細かい扇状の力木が特徴で、耐久性と幽玄な音色に貢献しています。
 私も、現在、モーリス・オッティガー氏の楽器が欲しいのですが、聞くところ、ウェイティングがかなりあり・・・・・・・。
 増税前には間に合いそうにありません。トホホ。

黒豹 #- | URL
2013/03/31 19:26 | edit

二コの楽器を試奏されたとは貴重な経験ですね。国内でもそう存在する代物ではありません。また、オッティガー氏の楽器もすばらしく、まさにゲースト直系の系譜であり、たしかな感触があります。特に、ゲースト系は、ブリッジ端部のきめ細かい扇状の力木が特徴で、耐久性と幽玄な音色に貢献しています。
 私も、現在、モーリス・オッティガー氏の楽器が欲しいのですが、聞くところ、ウェイティングがかなりあり・・・・・・・。
 増税前には間に合いそうにありません。トホホ。

白くま #- | URL
2013/03/31 19:28 | edit

待ち期間が長くても、税や為替レートで高くなっても、確実に良い楽器を作ってくれる製作家に頼むのが結果的に正解ですね。オッティガー氏のP.ライリッヒ・モデルを購入した方で一人、短期間に手に入った方がいます。別の人から注文をうけて製作していたところキャンセルがあり、それがまわってきたそうです。ラッキーな場合はこんなもんですが^^;注文したことを忘れている・・くらいの気長さで行くしかないですね。私もオッティガーの楽器はリュートを初めて26年目のことです;

michael #xNtCea2Y | URL
2013/03/31 20:42 | edit

michaelさん、日本には、超名器を持ってられる方が結構いて驚きます。いろんな方のサイトを見ていますが、instruments紹介コーナーでは、目を見張るような名器が出てきていてびっくりします。持ってる人は、長くかかろうが、お金かかろうが、長い時間待って入手されていることがよくわかりました。
 私もオッティガー氏にメールを早速出してみて、現在の詳しい状況、完成予定時期、価格など再度相談してみようと思います。
 michaelさん、背中を押していただいたようで感謝です。
 新しいオッティガー氏のリュートは、待っても、値が張っても、それだけの希少な価値があります。
 決心ができてよかったです!!

白くま #- | URL
2013/03/31 20:58 | edit

ぜひ良い楽器を入手されることを祈ります。高価でも長い目で見れば倹約となるでしょう。
試奏したニコも、オッティガー氏の楽器も、同じクリスティアン・ホフマン・モデルですが、このモデルとして最高の出来となれば、同質の音になりますね、ビビっとわかります^^

michael #xNtCea2Y | URL
2013/03/31 22:00 | edit

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