Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

ベーム&BPO:ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」  

カール・ベームの「英雄」は'61年、BPOと録音したものがいい、と音楽ファンの声も多いですが、私も確かにこちらが好きです。設計図どおり、きちっと築かれたような演奏で、それが何度聴いても飽きることがありません。録音は鮮明と言えるものではないですが、全パートをバランスよく緻密に捕えていて、ベームの演奏としっくり同化したような完成度で、荒っぽさがなく落ち着いて聴けるサウンドがいい。新録音のようなオーディオ的魅力はないにもかかわらず、針を下してから最後まで聴き入ってしまいます。過去に二つ折りのジャケット入りを持っていましたが、いつの間にか失ってしまい、中古店で兼価盤となって出たものと再会しました。

ベーム BPO be 3
1961年、D.G、ベルリン、イエス・キリスト教会

第一楽章
、ちょうどいい力感でがちっと切る冒頭の二打、快速なテンポで整然と進みますが、淡々とではなく、旋律の流れはちゃんと柔軟で味わいがある。提示部はわりと短く展開部から再現部、終結部が長大、ベームは力感の推移のツボを押え、ごく当たり前に純化したような演奏で進めます。寸分の隙もない統率感です。
第二楽章、三部形式で葬送行進曲に始まり、明るい中間部、そしてフガートが圧巻の第三部、緩叙楽章でも冷静に構成を捕えたような演奏でじわじわと引き付けます。
第三楽章、この演奏がまたいい、ピアニッシモで始めるが快速なテンポでスケルツォのリズムを一段と際立たせ、じつに小気味よい、強奏部分に至る前に引き付けてやまない。そして強奏部のたたみこむような連打音が痛快、これもかっちり整った合奏でさらに痛快に聴こえる。トリオのホルンの響きも心地よい。
終楽章、乱奏的な序奏で引き付け、全体にはパッサカリア風の変奏曲のようで、第二楽章でも見せたポリフォニックな書法など多くの技法が盛り込まれた楽章は見事ですね、ベームは先にも述べた究極の純化とも言うべきまとめ上げで申し分なしです。逆に言えば一歩抜きん出た表現、聴かせどころもほしいと思えてきますが、それは他の指揮者に求める楽しみということになります。
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