Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

W.マルサリスのトランペット協奏曲集  

このところ、トランペット漬けになっています;
今日は、過去にハイドンtp協奏曲で少しだけ取り上げた、ジャズ・トランペッター兼クラシック奏者、ウィントン・マルサリスのtp協奏曲集をじっくり聴き返してみました。
マルサリスはあくまでクラシック奏者に徹しているのは確かだが、ジャズ・トランペッターらしいプレイ精神も根底に漂わせている気がして、心にくいような・・^^
ヨーロッパ系のtp奏者とはやはり違うアメリカン・サウンドでしょうか、輝かしさが基調ですが、ヴェネチアン・グラスをキーンと叩いたような、芯のある透明な美音で特に高域が魅力。レイモンド・レッパード指揮:ナショナル・フィルの演奏がとても良いのにも気づきました。録音は弦楽器1つ1つが聴こえるような、SONYらしい鮮明さですが、耳心地よい滑らかサウンド。

マルサリス tp
1. ハイドン トランペット協奏曲変ホ長調
2. L.モーツァルト同ニ長調
3. フンメル同変ホ長調(フンメル)
4. ヴィヴァルディ 2つのトランペットのための協奏曲ハ長調RV537
5. テレマン 3つのトランペットのための協奏曲変ロ長調
6. パッヘルベル 3つのトランペットと弦楽のためのカノン
7. ビーバー 8つのトランペットと管弦楽のためのソナタ イ長調
ウィントン・マルサリス:tp
レイモンド・レッパード指揮:ナショナル・フィルハーモニーO (1-3) 1982年録音
              イギリス室内O (4-7) 1987年録音


1.ハイドン:tp協奏曲、まずレッパードの活気に満ちた前奏が良い、マルサリスはアンドレ風の木管的、室内的表現はあまりないが、高音から低音までくっきり明快な心地よさ。第二楽章はあまりカンタービレに陥らず、適度に切りながらリズム感に乗せる。しかしレッパードはバックの旋律をひじょうに優しく聴かせる。さすがにマルサリスも柔らかな表現。第三楽章、前奏がやはり活気を帯び、心地よいダイナミズムを聴かせる、マルサリスは速いパッセージ音を1音ずつ鮮やかに区切って聴かせるのが痛快、他では聴けない終楽章の魅力となっています。

2.L.モーツァルト:tp協奏曲、グルックと同時期、前期古典派らしい雰囲気でtpの魅力を十分聴かせる名曲です。第一楽章でオクターブ跳躍した高音をアンドレやエクルンドは弱音から柔らかく立ち上げ、ゾクっとくる魅力ですが、マルサリスはくっきりと立ち上げる、美音なだけにこれも痛快な魅力。第二楽章、レッパードのバックもくっきりした表現で引き付け、マルサリスは切れ味よい装飾(変奏)を加える。もちろんジャズの即興とは違うがスリリングな楽しみは確か。

3.フンメル:tp協奏曲、この曲で特にレッパードのバックがすばらしい、表現的にはハイドンと共通ながら、前奏や間奏部分が長いので聴かせどころとなりますね、2nd.vlなど内声をくっきり粒立たせ、1st.vlがレガート、区切りを使い分け適切に歌い、緻密な強弱法で力感の入れ方が的を得ていて、すっかり共感させられる、アンドレのバックを演奏したJ.ローラを凌ぐかもしれない?かっちりまとめ過ぎず適度に捌けた響きも良い、やる気満々の前奏で引き付けます。とても良い気分でソロが始まる。短調の感傷的な第二楽章の始まりは古典派世界から離れた気分、長調に転ずるとモーツァルト風になり、楽しませる。圧巻が終楽章、もともとアクロバット的なこの楽章を一段と速いテンポでマルサリスもオケもびしっと決めている。このキレまくった熱気はもはやクラシックから離れた気分でもある^^

以下、ヴィヴァルディはじめ、複数のtpによる協奏曲ですが、すべてマルサリスによる多重録音、ダビングしても音質劣化しないデジタル時代の利点で、最後のビーバーの曲は八重録音だそうです。

PS.フンメルのtp協奏曲は原曲はホ長調で書かれていますが、現在は一般的なtpで演奏しやすい変ホ長調に移調されることが多いそうです。当盤も変ホ長調です。マルサリスが2000年に録音した「ザ・ロンドン・コンサート」というアルバムでは原調のホ長調で演奏されています。他にホ長調で演奏しているのは、H.ハーデンベルガーとN.エクルンドの例があります。半音高い分だけでも華やかになりますかね。
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