Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

C.ホグウッド:バッハ ブランデンブルク協奏曲  

主だった団体が次々ブランデンブルクを録音している頃、ホグウッドもそろそろ・・と期待された録音です。ホグウッドが選んだ楽譜はいずれもバッハの初稿に近いものだそうで、他では聴けない貴重なもので新鮮でもある。一味違うことをやるのはホグウッドらしい。腕利きの奏者を集め、僅か2日で録音完了というのも驚き。
ワンポイント録音でオワゾリールのスタッフがマイクのセッティングにも苦心したとか。適度な広がりを持ち、室内楽的に各パートを明瞭に拾っている好録音で、個々の楽器の特徴まで聴こえてくるようです。

ホグウッド ブランデンブルク 1984
1984年 オワゾリール

第1番、後の改訂版と異なり、楽章は3つ、ピッコロvlが使われない、響きがつまらないか、と言うとそんなことはない、改訂版にはない魅力がある。第一楽章、快調にバスや内声にくっきりリズムを出させ、vlパートはしなやかな弓使いを聴かせる、ホルンも鋭い響きを出しながらもレガートな運び。第二楽章、ク・エンビゲのobソロに始まり、vlソロが続く、ピッコロvlじゃないのでオクターブ低くなるが、この落ち着いた柔らかな雰囲気もいい。マッキントッシュのvlは大味にならず、つねにサラリとした基調だが、清涼な響きが耳心地よく飽きさせない。第三楽章がメヌエットで終曲になる。トリオⅠとⅡが入るのみでポラッカは後に追加されたもの。ホグウッドもこのメヌエットはゆったりしなやかな魅力で聴かせる、トリオⅠではobが反復で良い装飾を入れる。トリオⅡは2つのホルンと重音奏法のソロvlの組み合わせ(改訂稿ではvlがobに替わる)だがホルン&vlのほうが斬新に聴こえ、こっちが改訂版ではないかと思える。
第2番、バロックtpはフリーデマン・インマー、さすが安定した美音で高域も伸びやか、合奏全体が軽やかで透明感を帯び、4つのソロ楽器が音の万華鏡を見せてくれるようで、あらためて曲の魅力に捕えられる。とは言え無秩序ではなく、巧妙極まりない構造を持ったゆえの楽しさでバッハの偉大さを感じる。各ソロパートに加え、バックの弦楽、バスパートの動きを聴くと、各パート単独でも整った旋律で、いったいどうやったらこんな見事にまとめ上げられるのか、第2番一曲だけでも神業に思えます。
第3番、これは標準的名演、快活で特に終楽章では折り重なるパートがくり出す切迫感が見事。
第4番、バロックvlの大御所、ヤープ・シュレーダーをソロvlに迎えての演奏。第一楽章、トゥッティ及び2本のリコーダーはくっきりと切れ味よく始める。シュレーダーのvlは大袈裟にならず、すっきりした清涼感で堅実に進める。第二楽章、テンポは遅くせず、リズム感も出して軽やか、この楽章ではリコーダーがメインでシュレーダーのvlは伴奏役のように控えめに聴かせる。終楽章、適度に快速で滑らかにフーガを開始、ここも気負った感じなく楽章の魅力を隈なく爽快に聴かせる。
第5番、これは聴き馴れた改訂版と大きな違いが聴かれ、特にチェンバロが第一楽章のカデンツァが短く、それ以外にも随所に違いはあるものの、曲の大筋に違いはない。ホグウッドのチェンバロは大見栄切らず端正、そこにマッキントッシュのすっきりしたvl、スティーブン・プレストンのほんのりしたトラベルソが寄り添い、意気込みを押えた落ち着いた雰囲気が飽きさせない。第二楽章も3人のソロがごく純粋に清涼に聴かせる。第三楽章、マッキントッシュの心地よいvlで開始する、軽やかな足取りでホグウッドのチェンバロも鮮やかだが、節度も保ち、気品高くまとめる。
第6番、第一楽章は快調なリズム感をよく聴かせ、全曲通して言えますが、弦楽のしなやかな魅力を存分に聴かせる、ヴィオラ・ダ・ガンバの細やかな装飾音がよく聴こえ華を添える。
全曲さらりと作り上げたようで、がっちりした内容を感じさせる、名盤かと思います。
関連記事

category: J.S.バッハ

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/351-cfff0592
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター