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初期宇宙の棒渦巻銀河  

数千億個の星が円盤状に集まっている渦巻銀河で、唯一肉眼で見られるのが、天の川銀河の隣、アンドロメダ銀河(約250万光年)であるが、20世紀に入り大型望遠鏡が造られ、渦巻状の銀河は多数ある事がわかってきた、ほかに楕円銀河とされるものもあり、E.ハッブルにより銀河形状の各タイプが分類されている、 
20170517.jpg
*天の川銀河はSBcとされている(SBaかと思っていたが?)
昔から不思議に思っていたのが、棒渦巻銀河と呼ばれる、バルジを中心に棒構造があり、その先から渦巻きになっている銀河で、何故こんな形になるのか、また数として、丸い渦巻と棒を持つ渦巻の割合は半々であること、
仮説が立てられているのが、棒渦巻の形になるのは『力学的不安定性』が原因で、規模の大きい渦巻銀河は棒構造を持ったり、丸い渦巻きになったりを繰り返しているとの説、
galaxy transformation
これなら「丸い渦巻と棒渦巻の割合は半々」という説明がつく、
近傍宇宙でお馴染みの棒渦巻銀河がNGC 1300(6130万光年)である、
ngc1300 s
NGC 1300(SBc型) →拡大
HSTの詳細画像により、棒構造に沿って星間物質が中心部に急速に流れ込んでいるのが影となって見える、ここは星形成も盛んで、バルジの中心にある超大質量BHに向けて渦を巻いているようだ、

さて、JWSTがまた新たな謎を拾いだした;
上記のような棒渦巻銀河は銀河の歴史上、全体質量の大きな銀河に成長したあとの姿と思われてきた、実際、棒渦巻銀河が多く見られるのは近傍宇宙だった、しかし宇宙年齢が現在の2~4割だった時代の宇宙(遠方)に棒渦巻銀河が6個見つかった、
36549_barred 2
その1つ「EGS-23205」、
EJS23205_20230121092352ba1.jpg
EGS-23205:左はHSTが捉えた画像、右がJWSTによるもので、中間赤外線による撮影で塵を見通せるため、棒渦巻構造がはっきりわかった、
赤方偏移Z=2.136 とあるので、ハッブル定数=71.9で計算すると約110億光年になり、初期宇宙に近い、
distance calculation
これほど遠方(初期宇宙)に棒渦巻銀河が存在するのは、これまでの銀河考古学の定説を大きく見直す必要がでてきた;
先日の「初期宇宙の年老いた渦巻銀河」に続き、天体物理学者を悩ませる発見が続く;

PS.銀河M104やUGC12591は上図のハッブル銀河分類でレンズ状銀河SOと渦巻銀河Saの中間の形状を持ち、SO/Saとされる、
m104_20230121105551b7c.jpgUGC12591.jpg

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