Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

O.スウィトナー:ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」  

スウィトナーは客演するオケでは前の指揮者の癖を取ることから始めると語っていました。音作りの基本がかなり違うのでしょうね。ドヴォルザークの交響曲においても、全体が室内楽的な弱音基調で木管のハーモニー、弦の弱奏など他のパート音に邪魔させず、くっきり浮かばせます、弦楽をゴリゴリ弾かせることはありません。ダイナミクスはブラスや打楽器に依存しますが、ブラスも透明に溶け合う響きを尊重しているようです。弱音に集中させ、強すぎない強奏を効かせる。SKBの合奏はBPOやRCOみたいにビシっと決まっていない、そこが柔らかで血の通った味わいに聴こえる、器用に聴かせるより大事なものがあるように感じます。

スウィトナー dov 9
ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン
1978年、ドイツ・シャルプラッテン


第一楽章、弦による序奏はきわめて弱奏、エアコンやパソコンが動いていると聴こえづらい;主部の開始はやや快調なテンポ、第一vlの最高ポジションの音がやや苦手っぽく乱れますが、高揚感として聴こえる;続くvlのトレモロが聴こえるかどうかくらいの弱奏、木管が交互にテーマを入れ、ぐっとダイナミクスに持っていく、フルートのソロやvlによるテーマは他パートを事前に十分弱奏にしてテンポも緩め、落ち着いたところでゆったり歌わせる、クレシェンドをかける際にもぐっと抑えてから始める、こんな表現法で引き付けて行きます。展開部も爽快な響きでピリとした緊張感を持たせます。終結部に入るとブラスは今まで控えていた音量からぐっと高鳴り、テンポも加速、突然キレたように熱烈に終わる、ここはスウィトナーらしく、いいv
第二楽章、あまりゆっくりのテンポではないが十分脱力した感じ、イングリッシュ・ホルンも良いが、他の木管、ppの弦が夢想的で良い、楽譜を持っていなければ気付かなかったような、かすかな弦の内声も聴こえてくる繊細な表現バランス。オーボエ、フールトがお祭り風の旋律を始め、総奏に入るが、第一楽章、第二楽章のテーマが豪快に重なる、各楽章のテーマは同じDNAで出来ているみたいです。
第三楽章、ここは速いテンポを取り、スケルツォのリズムに切迫感を持たせ、キリっとした切れ味、副主題でゆったりとした気分にして、再び緊迫させる、再度演奏するスケルツォはさらにテンポ・アップしているようです。
第四楽章、開始は切れ味よく豪快、響きはあくまで清潔、たった1か所のシンバルが鳴る、クラリネットのソロ、vlと続き総奏となる、vlが強すぎない分、コントラバスが深く聴こえる低い重心の響きが良い。木管パートをよく聴かせる、他の演奏では聴けなかったバランスで聴こえてくる。終楽章には前楽章のテーマが有機的に組み込まれています。終結はブラスを豪快に響かせ痛快に加速、余韻を長く消え入るように終わる。
「新世界」はスウィトナーの特質がよく感じとれるようです。
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