Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

M.シェーファー:バロック・リュートの音楽 第3集  

先日のO.M.ドンボア氏のバロック・リュートの音楽 第2集に続いて出たのが当盤第3集、ミヒャエル・シェーファー氏による、いよいよ本格的にバロック・リュートの世界へ誘うような内容です。惜しくも40歳で亡くなったシェーファー氏の遺作録音でもあり、バロック・リュートとはこういうものか、と開眼させられた最初の録音でもあります。1977年、アナログ期最良の録音でしょう。このLPを聴くには通常よりかなりボリュームを下げる必要があります。通常が"9時"の位置なら"8時"くらい、これでリュートを間近に聴くくらいの音量です。録音レベルを大きくとっているので、トレース・ノイズも聴こえないSN比の高さ、バロック・リュートの極めて微かな表現まで再生されます。

シェーファー bl
1.デュ・フォー 組曲ト短調
2.ジャック・ガロ 組曲ニ短調
3.エザイアス・ロイスナー 組曲イ短調
4.ヨハン・ゴットフリード・コンラーディ 組曲イ長調(←ミスプリでイ短調とあります)
11コース、バロック・リュート:ミヒャエル・シェーファー
1977年、ハーレム、ルーテル教会 SEON


1曲目、2曲目はフランスのリュート奏者、音楽もまさにフランス語調と言えるでしょう。デュ・フォーのト短調の組曲は私も取り組んだ曲で、「ブランロシェ氏へのトンボー」という魅力的な曲が入ります、シェーファーの懐深い演奏を模範に描きながら苦闘しました;終止和音を弾くところ、掛留音をぐっと引っぱり、微かなスラー音で和音にして閉じる、こんな表現一つとっても深くデリケートな味わい。リュートだから出来る美しい装飾音もあります。
3曲目、4曲目はドイツ系の奏者と思われますが、フランスの流儀も継承しています、ロイスナーの組曲イ短調も味わい深く、最後のジーグはリズムの心地よさとテーマをカノン的に扱う凝った書き方がいい。ロイスナーも随分昔、別の組曲を練習して、ギター教室の発表会の中で披露させてもらった、ちょっと馴染みある人です^^
鍵盤曲などと違い、明確な構成を持たないブロークン・スタイルと言われる、リュート向きの音楽が紡がれますが、フランスのクラヴサン音楽にも影響したほど当時のリュート奏者は魅力的な演奏をしていたのでしょうね、楽譜(タブラチュア)に残されたのはほんの筋書き、即興もいっぱいやったことでしょう。
リュートが盛んだった時代も一人一人の奏者の個性も美質も違い、どれが模範的だとは言えなかったようで、リュート奏者を評論した書き物が残っています。20世紀になってシェーファーという逸材が資料研究をもとに最後は自身の音楽センスで、バロック・リュートの復活を投げかけたように思えます。ナイジェル・ノースなど優れた人が続きますが。

マイケル ロウ11c
マイケル ロウ11c
使用楽器:、1977年、マイケル・ロウ作 11コースLute
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category: リュート作品

tb: 0   cm: 4

コメント

偉大なる演奏家

どういうわけか、誤ったミスプリが横行しています。

シェーファー使用の写真のリュートの製作年はマイケル・ロウが1976年から製作開始し、1977年に完成したものですので、正確には1977年製が正確です。(念のため)

象牙が贅沢に使用されたマイケル・ロウ渾身の作で、シェーファー亡き後、かのドイツのグスタ・ゴールドシュミット女史が所有することになりました。その後、コレクターの所有となっているようです。

いずれにしても、この第3集は今世紀の名だたる名盤に違いなく、日本にどれほどの影響を及ぼしたか計り知れません。CDでも出ていますので、擦り切れるまでと、心配することなく、何百回でも聞いていますが、このような演奏をできる人は2人といないのではないでしょうか。ほんとうにため息が出るほどシビレる演奏です。

トンボー #- | URL
2013/10/23 20:10 | edit

トンボーさん、コメントありがとうございます。
このLPは発売当時、即購入したのですが、被災して損失、その後出たCDを購入しました、CD化の音も申し分なくそれで良かったのですが、初めて聴いたLPでも再度聴きたくて、中古を再入手した次第です。それほど愛着があって・・
バロック・リュートといえばせいぜいバッハかヴァイスしか聴いたことのなかった時期、ほとんど知らないこれらの作品でいきなり深みにはまってしまいました、シェーファーの偉大さです。
マイケル・ロウのluteは完成後すぐ録音に使われたわけですね、さぞかし名器なんでしょう。

michael #xNtCea2Y | URL
2013/10/23 21:21 | edit

シェッファーさんの遺作となってしまいましたねえ。
何度聞いても飽きることがありません。

カラー写真などいかが?
blog-imgs-47.fc2.com/m/y/w/mywindow/lowelutehagsjas.jpg

奇士 #nLnvUwLc | URL
2013/10/24 23:05 | edit

奇士さん

写真ありがとうございます。

・・ほしいですね、こういう楽器・・)))

michael #xNtCea2Y | URL
2013/10/25 00:23 | edit

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