Micha クラシックとリュートの楽しみ

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ルベン・シメオ:トランペット協奏曲集  

"M.アンドレの再来"と言われるトランペット奏者は次々出てきますが、1992年、スペイン生れのルベン・シメオは極めつけの天才のようです。父はトランペット教師、M.アンドレのマスター・クラスを受けて、その後只一人の弟子となり・・まあ輝かしい経歴はネット検索しましょう^^
当盤はシメオ2枚目のアルバム、かつてのハーデンベルガーやアントンセンに習い?早くもトランペット協奏曲の定番を惜しげもなく聴かせてくれます。録音時は16歳のはずですが、上手すぎる!さらに幸いなのは、バックが素晴らしいこと、指揮者のケン・シェは1980年、カナダ生れの東洋系、日本で研鑽を積んでいて経歴は略しますが、ひじょうに優れたセンスの指揮者と思います。オケはオーケストラ・アンサンブル金沢、バックは完全にピリオド・モードで、古典、バロック、それぞれの時代のスタイルで演奏します。今やこれが若手演奏家の普通の演奏姿勢かもしれません。録音もまた、very good!

シメオ tp con

1.ハイドン、tp協奏曲変ホ長調
第一楽章、前奏から見事、弦楽の滑らかな美しさに溌剌としたダイナミクス、ソロtpが柔らかく始める、音は滑らかな美音で安定しきり、完璧にコントロールされ、伸ばされる1音の強弱が表情豊か、カデンツァは前例がないほどテクニカルなもの、最高音の美しさにも魅了される。
第二楽章、師アンドレと同じく、ゆっくりのテンポ、オケはヴィヴラートを控えた涼しげな響き、tpは弱音を安定的に伸びやかに歌わせ、ほんとにフルートか声楽並みに聴かせる。
終楽章、落ち着いたテンポだが、オケは心地よい活気を持たせる、tpについては文句のつけようがない、音楽的デュナーミクをこれほどやってのけるとは;また程よくレガートにも聴かせる。
2.フンメル、tp協奏曲ホ長調
原曲どおりホ長調の演奏です。
第一楽章、前奏から良い、私が希望する要素が全部聴かれるv、tpはハイドン同様、美音で伸びやか、エッジを立てて活気を聴かせる所とレガートにする部分をセンス良く分けているが、ソロとオケが見事同調してまとめている。もはや技術が上手いとかいう事は忘れて、音楽的にどこまで高めているかに集中させられる。
第二楽章、演奏の見事さは書くまでもないでしょう。この第二楽章を聴いていつも思うのは、ポール・モーリアGオーケストラのレパートリーにしたらヒットしたんじゃないかと?「白夜のトランペット」とか^^
終楽章、予想通り、tp、オケとも見事に決める。timpの鳴らしっぷりも古楽オケっぽい。
3.タルティーニ、tp協奏曲ニ長調
さて、ここからはバロック、オケもバロック期の古楽モード、どこかの古楽合奏団に入れ替わったかと思わせる。タルティーニの当曲はvl協奏曲が原曲ですが、面白いほどtp向きの曲で、アンドレがtp協奏曲として愛奏した曲ですが、アントンセンも名演を録音しています。当盤はケン・シェの指揮で一段とバロック・テイストで味わえます。シメオのtpは味な装飾も加え、師アンドレを超える名演と言えましょう。終楽章ではカンデンツァを入れる、古典期に近い作品だけにぴたり決まる。
4.テレマン、tp協奏曲ニ長調
この曲は演奏の数だけ楽しめる、飽きない名曲、
第一楽章、シメオの美質とも言える、弱音の伸びやかな美音で始まる、バックも美しい、
第二楽章、バックがほんとに古楽だ^^シメオの装飾入りの演奏も。
第三楽章、O.アンサンブル金沢の古楽をじっくり鑑賞、このままコレッリの合奏協奏曲を演奏できそうな雅びな演奏。
終楽章、快活だが、やはり滑らかな美しさも聴かせる。全曲シメオのtpは室内楽的で、劈くような響きは一切ない。

シメオは若干16歳でこの演奏とは驚き、単にトランペットが上手い天才じゃない、今後の活躍が大いに楽しみ。また指揮者ケン・シェにも注目です、ハイドンなど録音してほしいです。
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category: F.J.ハイドン

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