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サラゴンSQ:J.M.クラウス 弦楽四重奏曲集  

私が隠れファンである、ヨーゼフ・マルティン・クラウス、べつに隠れなくてもよいですが;今日は古楽SQのサラゴン四重奏団によるアルバム。
クラウスはハイドンのSQの書法を十分継承し、4つのパートは見事に綾を成す、また大バッハの孫弟子ゆえであろうか、奥の深い対位法でも魅了する、4つの楽章という定型に拘らず、3楽章だったり2楽章だったり、古典派でありながら、バロックのような、ロマン派のような精神性を表し、予測できない自由な構成、とてもインテリジェンスな音楽に巻き込まれます。全曲素晴らしいですが構成を掴むのが難しく全てレビューはしんどいので3曲に絞ります;

j m kraus sq
クラウスの肖像画のテーブルにはビールが美味しそうに描かれていますが、そこをCDにプリントしたところが粋です^^
j m kraus sq2

1曲目G-durは4つの楽章、第一楽章アレグロはソナタ形式、撫でやかな親しみ易い動機は印象的でもあり支配的、提示部から各パートの緊密な重なりが見事、デリケートな接続句を置いて次へと繋ぐ、いつの間にか展開部に入っている、深い転調の緊迫感とシンコペーションの推進力で引き込む、再現部に移るにも繊細な書法、ハイドンのようにきっぱりと区切らない、結構長い再現部で構成上の追加部分で充実させる。消えるように楽章を閉じる。
第二楽章はScozzese(スコットランドの踊り)、3拍子で民族的、メヌエットの代りであろうか、トリオに相当しそうな中間部もある。スケルツォとも違う新鮮な感覚。
第三楽章、ラルゴ、これは孤独感のある短調の主題で開始、vlがソロを奏でる部分は美しい、それをvcが受け継ぐ、一段と精神性の深さを綴る、安らいだ長調の挿入部が入り気分を変え、また短調に戻る。消えるように終わり終楽章へ続けて入る。
終楽章、アレグロ・アッサイ、明るく軽快な動機を奏で、すぐ切れ味鋭く全パートが凌ぎ合う、短いがクラウスらしい緊迫感で魅了して終わる。

3曲目E-dur、全楽章、旋律美が特長の親しみやすい曲、これが当CDでは世界初録音とされている、埋もれていたのはもったいない話。
第一楽章アレグロ・コン・ブリオ、流麗な親しみやすい主題、提示部は快調、短調となった展開部は構成は見事でちょっとハイドンを凌ぐ粋な雰囲気、全体にボッケリーニ風というかラテン的な趣も感じる。魅惑的な旋律の楽章。
第二楽章アダージョもなかなかの旋律美、4パートの綾も味わい深い。中間部分でチェロがレシタティーボを奏る、消えるように終わって終楽章へ続けて入る。
終楽章、アレグレット、ロンド形式か、愛らしいテーマで始まるがすぐ、畳み込むようなキビキビした挿入部に入る、vlが小気味よいパッセージを弾く、チェロのソロも聴かせる、終楽章もスっと消えるように終わる。

4曲目g-moll、3楽章の短めの曲ですが、これぞクラウスの魅力が詰まった作品、モーツァルトにもハイドンにも期待できない曲です。
第一楽章アンダンテ・コンモート、短い印象的な導入部があり、二重フーガが始まる、これはバッハの「フーガの技法」を連想する、リチェルカーレと呼ぶべきか、書法といい深い趣といい、傑作です、再び冒頭の導入部を聴かせ、フーガの再開、ただし最初とは書き方を変えて、ただの繰り返しにしない。
第二楽章、ロマンツェ、第一楽章とはがらりと趣を変え、いかにもロマンツェらしいテーマで始まる、しかし緊迫感のある中間部はロマンツェとはかけ離れた趣。
第三楽章、テンポ・ディ・メヌエット、短い曲だが、小悪魔の踊りのような怪しげなテーマは意外で引き付ける、これも並みの発想ではないクラウスの魅力でしょう。

J.M.クラウスのカテゴリに書くのはこれで10件目です。クラウスはNAXOSレーベルで知るようになりましたが、数は少なくとも良い演奏で現代に蘇ったのは幸いです。サラゴン四重奏団の演奏も作品の真価を聴かせてくれる秀逸なものでしょう。
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